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ほえぶる!

ファンタジーやら現代もののエンタメ小説やら紀行文やら書いてます。自転車にも乗る。「文藝サークル~綴~」の中の人、「おにこくらぶ」の中の人、「ドジョウ街道宿場町」の中の人です。


 いつまで寝ていたのだろうか、チャイムが鳴ったのは微かに覚えている。でも意識はほとんど途切れていたので、正確な時間は分からない。
 唯一分かるのは、誰かに背中をつつかれて目が覚めた、ということだ。
 オレは無視を決め込んで寝たふりを続ける。
「ほ、穂枝(ほえだ)……?」
 声の主が背中を叩く。今度は少し強めだ。
「おい……。穂枝? 穂枝ぁ……!」
 しきりにオレの名を呼ぶが、全く反応しないよう心掛ける。
「穂枝、もしや……学校が始まって、家が恋しくなって、それで悲しくなって……死んじ、まったのか……? 穂枝、なあ、俺を置いて、先に逝っちまったのかよ! 穂枝ぁ!」
「死んでねえよっ! ってか、それじゃあ死因が孤独死じゃねえか!」
 ガバリと起き上がり、突っ込んだ。孤独死じゃなくて、窒息死くらいにしてくれ。
 振り返ると、髪を金色に染めた少年が立っていた。オレの背中を叩きまくり、オレの名前を六回も連呼した奴だ。相変わらず学ランのボタン全開で、Yシャツではなく赤黒いシャツを着ている。
「ひいっ! 死者蘇生!」
 金髪の少年は悲鳴を上げて後ずさった。
 何もしていないのに疲れが溜まってきた。でも仕方が無い、せっかく話しかけてきたのだから、いじってやるしかないだろう。
「残念ながら、生き返ったわけじゃないぞ」
「え? じゃあこの穂枝はなんなんだよ! まさか……ゾンビ?」
「いや、だから死んでねえよ」
「じゃあ、お前はっ! 一体何者なんだよ! 教えてくれよっ!」
 なぜこんなに怒鳴られるんだ? まあそんなもんどーでもいいんだが。
「オレか? オレは……」


●お前の夢の世界に住む人間だ。
○お前の祖先が作ったサイボーグだ。


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