ほえぶる!

ファンタジーやら現代もののエンタメ小説やら紀行文やら書いてます。自転車にも乗る。「文藝サークル~綴~」の中の人、「おにこくらぶ」の中の人、「ドジョウ街道宿場町」の中の人です。

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きょ、今日は……大会……だと……?

ども、なんかそうらしいです、すいません、じょがぁです。


さてさて、なんか弓道してるときから体が熱くなっているわけですが、
新型……じゃないよね……?

(どうせ、最悪の場合でも風邪だろ。じょがぁだし)



まあ、是非とも皆さん体調管理はしっかりとして下さいませ^^;
(かくいう自分も
知り合いの知り合いくらいで新型インフルエンザが流行っているみたいなんで厳重警戒です)


そういえば、新型インフルエンザってつい前には『豚インフルエンザ』って呼ばれてたんですよね。
ふと、その名称を思い出して

「何それ、新しいインフルエンザ?」

と、新型新型インフルエンザを想像してしまった自分。


いやぁ、人間って忘れるものですね^^;





というわけで、Read More...で追記っぽく制作中のノベルゲームの話です。

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翼の生えた少女はもういない。』更新してますよ!

ども、テスト終了のじょがぁです。


『まそん。』のほうでも載せましたが、
次回の更新は(執筆が余裕だったら)11月5日(木)と11月10日(火)にしようかな、と思います。

ときたまペースを上げないと、ノベルゲームのほうが間に合わない……ような気がするんですよね(汗)

(逆にペースを落としてその時間でノベルゲームの作成ってのもいいかもですが)


まあ、ペース落とさないのはバカなプライドということで。
そのうち折れるでしょうね(な







でもって、今日気付いたこと。ちょっと下ネタ。(←色はネタばれ)




タイトルで書いたとおり、午後の紅茶(ミルクティー)を飲んでいたんですよ。
そうしたら1.5Lのミルクティーが無くなってしまっていたわけです。


それで気付いたんですが、

紅茶の利尿作用って凄まじいですね。


一時間に二回くらい催しましたよ。

しかも、量もすっごいんですよね。比喩は使いませんが大量です。



そこで思った。


紅茶の国と言われるイギリスの人々は、
他国の人々以上にトイレへ行く回数が多いのではないか?




これはじょがぁの偏見だと思うんですが、

・朝起きてモーニングティー(紅茶)
・朝食のブレークファーストティー(紅茶)
・出勤のちょこっとティー(紅茶)
・昼食のランチティー(紅茶)
・優雅に午後の紅茶アフタヌーンティー(紅茶)
・家に帰ってカムホームティー(紅茶)
・夕食のディナーティー(ワイン、ではなく紅茶)
・食後のミルクティー(紅茶)
・寝る前のグッナイティー(紅茶)


ざっとこのくらいの回数は飲んでいるんじゃないでしょうか?


それならきっと、トイレの回数も多いはず!


そして、イギリスと言えば紳士淑女の国。
もちろんマナーだってしっかりしているでしょう。


そして、紅茶を飲むイギリス人が最初に考えたマナーは、
何度も通うことになるトイレのマナー……なのかもしれませんね。


というわけで、
イギリスはとっても素晴らしい国ですね!












日本には緑茶という利尿作用のある飲み物が存在します。

ついでいうと、イギリス人はあまりトイレへ行かないという噂があったりなかったり。でもこれは言わないでおこう……。

 ある日の正午前、初めてソフィアと出掛けた。
 きっとこれはデートだ。
 そんなこと恥ずかしくて口に出せないけど。
 ゆさりゆさりと、ソフィアは大きすぎるリュックサックを揺らす。
 その後ろ姿がどこかあどけなくて、そしてまた、どこか楽しそうだった。
 こいつがこんな明るいうちに外に出たのは初めてだ。
 今まではずっと、明るい外に出ることさえも許されていなかったのだから。
 だから、オレの目にはこいつが悲しくも映った。
 でも、ソフィアはそんな気はさらさらないようで、外出を満喫している。
 それじゃあ、オレも楽しまないと。
 ソフィアと一緒にファミレスへ行った。
 それからアクセサリーショップへも行った。
 そこでロケットを買った。
 不安に感じるここ数日だったが、楽しかった。
 本当に、楽しい。
 ソフィアはどんな不安だってやさしく包み込んでくれる。
 そして、夕暮れ。
 オレたちは湖の畔にいた。
 オレたちだけの公園。
 ベンチに座って水面を眺めていた。
 ――私の夢はね、お姫様になることだったんだよ!
 ソフィアは嬉しそうに幼い頃の夢を語った。
 夢、か……。
 夢なんてもの、語ったことがなかった。
 きっと、笑われるだろうから。
 それが嫌だった。
 でも、ソフィアになら言える。
 ソフィアなら笑わずに聞いてくれるから。
 そんな根拠のない確信を持って。
 ――どうせだからさ、オレの夢も聞くか?
 そんなことを言っていた。
 ソフィアは無邪気に頷いた。
 その瞳は、眩しいほどに輝いていた。
 ――オレの夢はだな……。

 その日、オレは初めて自分の夢を人に語った。


四月十一日(金)


「うお、マジでさみい……」
 風に流されてしまいそうな朝日を見つめながら、思わず独り言を呟いてしまった。北からやってくるひと吹きの風で、オレは震えだした。
 寒い。
 寒すぎる。
 昨日はあんなに温かかったのに。夜でも過ごしやすかったのに。
 オレはタイムトリップでもしてしまったのか? たった三十分早くアパートを出ただけで、ここはまるで真冬じゃないか! 誰がこんなクソ寒い場所を好きこのんで旅をするか! ……正確に言うと、この場合タイムトリップではなくタイムスリップと呼ぶようだ。オレの突っ込みは稀に見ぬほど滑ってる気がする。
 と、いつまでも冬でいる遅れんぼの風が背中を突きさすように追い越した。
 今の風が季節外れだなんて言われてなかった頃に、ソフィアはこの世界にやってきていたんだな……。
 そんな感傷に浸ってる場合じゃない。くそ、昨夜大瀬崎からメールが来なければこんな寒い思いしなくてすんだものを。
 無論あいつにヘコヘコ頭を下げて従ってるほどオレはヤツの手下でない。むしろ(色々な意味で)その逆だ。徹底的に大瀬崎の邪魔をして、これ以上大室を困らせることのないようにするんだ。あわよくば『田舎来い』なんてバカげた作戦を中断させてくれれば嬉しいのだが。
「遅いぞ穂枝!」
 正門にはすでに大瀬崎がいた。集合時間の三分前なんだが……。
「遅いわよ、統流」
 その声は……奏? 辺りを見まわしてもその姿はない。いや、いた。桜の幹の陰に隠れるように立っていた。
「奏もいるのか」
 てっきり来ないものだと思っていた。奏はまだ『田舎来い』という作戦が存在していることを知らないだろうし、何より大室に迷惑をかけることは絶対にやらない。奏は友達思いだからな。その前に常識、という壁が立ち塞がっているのは言うまでもない。
「いるに決まってるでしょ? 駿河の野望阻止よ」
 やっぱり奏は友達思いだった!
「あの、丸聞こえなんすけど……」
「あら、聞こえるように言ったんだけど?」
「ヒドイっすね!」
 大瀬崎が白い息と共に声を上げた。ああ、こりゃ寒いな。
「ま、だからと言って俺は諦めないぜ。なんせ、いずみちゃんと仲良くなりたいからな!」
 そうだな、お前の心は早くも夏の気配がするくらいにアツいんだろうな。どうでもいいことだが。
 しかし、この寒さ。基本的に夏は嫌いだが(クーラーのない代樹荘に住めば誰でも夏が嫌になる)、北からの尖った風が顔を攻撃する度にセミの鳴き声が恋しくなる。網戸に張り付いて鬱陶しかったクセに、今じゃあ虫カゴいっぱいに捕まえてジージー声に聞き惚れたい。
 ってか、マジでこの風はシャレにならないぞ。そうしているうちにも雪の降らないブリザードは桜の花を散らしていった。
 大室待ちの雑談で奏がポソリと言ったのだが、どうやら現在関東地方は寒気に覆われているらしい。数日間は冬に逆戻りなのだそうだ。携帯の天気じゃそこまで詳しくは教えてくれない。
「桜も、週末までね」
 どうやら、明日明後日と雨が降るようだった。明日雨が降るということはしこたま残念なことではあるが、その前に誰だよ、三寒四温なんて言って、三日も寒い日が続くと設定した奴は。三暖四温にしてくれたら快適に大室の到着を待つことが出来たのに。
 登校する生徒が多くなってきた。正門の前で立ち止まるオレたちをチラチラと見る奴らが増えてきた。こうしていると、なんだか風紀委員になった気分だな。
「いずみちゃんはまだかなあ」
 ソワソワと生徒一人一人の顔をじっくり見つめる大瀬崎。こいつは女子たちが気味悪そうに斜め歩きで門をくぐっていることに気付いているのか? だが、肝心の大室は一向に現れない。初めからやる気のないオレと奏だが、こういつまでも来ないと余計だらけてしまう。
「ヒマね、駿河、ここで一発芸お願い」
 ついに耐えきれなくなったのか、奏が大瀬崎にむちゃぶりを仕掛けた。
 だが大瀬崎の顔は予想を超えた自信に満ち溢れていた。
「んっふっふ、そう言われるのを待ってたよ、ミコモ・トーマスくん」
 誰だよ、ミコモ・トーマスって。
「あっそ。ネコの姿でイヌの鳴き声とか言う微妙なネタはやめてよね」
 ミコモ・トーマスについては完全に無視している。それが奏だ。
「心配ご無用。この日の為に寝る間も惜しんで考案した究極的なネタがあるんだ」
 そう言って大瀬崎は全開の学ランを脱ぎ、オレに手渡した。それから大瀬崎はなんとその場で横になるという奇妙な行為に出た。それから、Yシャツの第一ボタンを閉め、第三ボタンを開ける。
 その開いた部分に手を入れ、そして、その下にある白いTシャツを引っ張った。
「ティッシュペーパー」
 風が、弱まった。
 風と風との合間にある小休憩なのだが、オレには風が大瀬崎に同情しているようにしか思えなかった。風だけがこの世界に時が存在していることを教えてくれたからだ。
 今や登校中の生徒でさえも奇妙なポーズで固まる大瀬崎を見下ろしている。
 もうずっとこのままでもいいような気がしたが、再び風が強さを増してきた。いてもたってもいられずになる。
「お前、今日は白いTシャツなのな」
「突っ込みどころそこじゃないでしょ!」
 それ以前に、Yシャツを着ていること自体が珍しいのに……。いや、待て。そう言えば昨日はYシャツを着ていたような気がするぞ。ということは、ティッシュペーパーのネタはその日からスタンバイしていたのか……?
 隣を見ると、奏は両手を口元で擦り合わせ、そっと吐息を当てていた。
「寒いわね……」
「寒いとか言うな! 俺の睡眠時間を返せ!」
 多分奏はそっちの意味で「寒い」と言ったわけじゃないと思うんだが……。
 さておき、予鈴が鳴った。もうすぐでホームルームが始まってしまう。門をくぐる生徒たちもまばらになってきた。
「くそっ、いずみちゃん来ないぞ……」
 大瀬崎はアスファルトを踏みにじってイライラを解消させている。
「今日は休みかもしれないぞ」
 尻眼で奏を見る。今日は極寒だしな。
「仕方ない。出直すか」
 捨て台詞のように、大瀬崎はそれを吐き捨てるとオレたちを置いて校門をくぐり抜けた。
 おいおい、まだこれ続けるつもりかよ……。
 オレたちも大瀬崎に着いていくようにして校舎に入った。奏と別れ、大瀬崎と再び会ったのは教室の入り口だった。
 マンガの一コマのように、ずっこけていた。
「どうしたんだよ」
 蹴りを入れると奴は振り絞って背を逸らす。
「あやつは……生霊か? はたまた影武者なりか?」
 語尾は気にしないとして、大瀬崎の指差す方向には……。
 大室いずみが席で本を読んでいた。
 いつも通りの光景。今日で三回目になる。
 だが、いつから大室は学校に来ていたんだ?
 正門は絶対に通っていない。大瀬崎が一発芸を披露していたときもだ。
 大瀬崎はそれをネタに休み時間が来るたびに大室に問いかけていた。学校に泊まっていたとか、ヘリでやってきたとかいう憶測を挙げていたが、大室は圧倒される恐怖にぶるぶると震えつつも無言の否定を続けていた。
 その答えは、昼休みに屋上で白渚の口から呆気なく言われることになる。
「僕たち、毎日七時半に来てるんだよ」
「マジかよっ!」
 大瀬崎が驚愕するのも無理はない。オレたちが集合したのは八時だ。
「しかも、東門からね」
「マジかよっ!」
 大瀬崎が驚愕するのも無理はない。オレたちが集合したのは正門だ。
「それにしても、いつ食べてもいずみんのお弁当は美味しいね」
「マジかよっ!」
 大瀬崎が驚愕する必要はない。でも大室の腕は確かた。アスパラのベーコン巻は薄味なのに、しっかりと個々の味が舌を経由して全身に行きとどく。
 ちなみに、伊東の味はオレのおふくろの味とよく似ている。まったりとコクがあって、深い。とくにこの煮物なんて絶品だ。
 屋上を伝う風がレジャーシートの端を揺らした。空は厚い雲に覆われ灰色をしている。西の方は黒いほどだ。
 奏が小さなくしゃみをする。
「寒いの?」
 白渚が心配そうにしている。奏の箸はさっきからほとんど進んでおらず、伊東の煮大根に手を付けたままだ。
「大丈夫よ……心配してくれてありがと」
 奏は小さくほほえんだ。
「そっか。でもムリしないほうがいいよ。季節の変わり目なんだし」
「……気をつけとくわ」
 奏は残った大根を口に入れると、正座を崩した。
 そのあと、白渚から明日のスケジュールが発表された。
 十一時に学校の正門に集合し、駅の食事処で昼食をとってから駅前のデパートをブラブラと散策ようだ。
 実は駅をゆっくりと歩いたことがないから楽しみだ。
 ただ、心配なのは……。
 オレたちの前では何も言わない大室と、顔色が悪いくせに無理して笑顔を作る奏、その二人だった。



第九話『今起きた、すぐ行く、畜生。』に続く

第七話に戻る
目次に戻る
『城ヶ崎の小説ども』に戻る。
どうも、明日はテスト最終日。
早々。
数名の教師を除き、ほとんどの先生が本気を出しています。
自分含め、果たして生き残っている人間はいますでしょうか……?

応答して下さい、こちら、じょがぁです。
(訳:中間テストが前回比にならないほど難しい)


はい、そんなわけで、
先程までじょがぁは新海誠さんのアニメ映画『雲のむこう、約束の場所』を観ておりました。
ニーソマン・シック(誰だよ)の薦めです。

新海誠さんと言えば、ちょっと前に『秒速5センチメートル』を紹介したかもですが、

風景描写が緻密で美しい!

これを言わずして新海誠さんを語れないと思います(じょがぁ自身語るような身分ではないが)

というか、これはうちがほにゃんらと文章を書き連ねるより
新海さんの作品をちょびっとでいいんで観たほうが断然分かりやすいかと思います。


さてさて、話は戻りまして、『雲のむこう、約束の場所』ですが、

これ以後、ネタバレが無い……と思いきやあるかもです。注意。

SFでありながら単なるパラドックスストーリーでもあるような、そんな世界観を持っていて、
思春期の、空を切る指先のような不安。隣に大切な人がいるようでいない……、
そんな悲しみというか寂しさというようなものがじわじわっと滲み出ている作品です。

一方で、『もしも』の世界でありながら実際にあり得て、現実のようにリアルティある世界です。
戦後、北海道が『オリオン』に占領され、他は米軍に占領された世界。
その折、北海道から『蝦夷』と名前が変わり、『蝦夷』の中央にそびえ立つ巨大な塔……。
人々はそれを様々な思いを抱きながら、ただ眺めるだけ……。

それから、人間が生きているんですよね、その世界の中で。
人々は成長し、昔とは変わってしまって……。それでも、変わらないものはあって……。
そういう、微妙で繊細な人間がとてもきれいに描写されているところがいいなって思います。
風景描写と同じくらい美しく人間を描写してるってところが、凄い。
さすが。
うちなんて足元……ってか足元の崖の下でうねる白波にでも巻き込まれちまえってくらいです。

(あえて言いますと、それくらい心理描写が素敵ってことです。城ヶ崎だって頑張ってるもん)


そして、ラストの約十五分!
実に感動的だった!


……というわけではなく、
個人的にはラストの十五分に行きつくまでが凄まじいくらいに感動させられます。

その感動があって、そのあとの十五分間、全てが終わるまで観て、
「ああ、終わったんだ……」
と、じょがぁは思いました。


というわけで、新海誠監督の『雲のむこう、約束の場所』、オススメです。
一番好きな場面は居酒屋のシーンです。
(エンドロールをちゃんと見ていれば多分誰でも好きになります^^)


あ、余談ですが、この作品は宮崎駿監督の『ハウルの動く城』を抑えて、
第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞したみたいです。すげー。
ども、じょがぁです。
タイトルは最近常々と思っておりますお話です。
今年の二月ごろにArchの詩を書いてから、
そっちの方面は全くと言っていいほど活動してなかったような。

(まあ、作詞提供はしましたけども)


久しぶりに詩を書きたい衝動がズンドコと駆けておりますけども、
もう詩の書き方なんて忘れてしまいましたね。

『純白の錯綜』とか、どうやって書いたんだっけ……?
統流視点とソフィア視点が入れ替わり立ち替わりに語っている。
……って記憶があったりなかったり。


もし『もういない。』の詩を作る機会というか、
ある種の『きせき』みたいのが起こったら、
ゲームのOPみたく「ああ、そういう意味だったのか」っていう作品にしたいですね。
※あくまで妄想です。城ヶ崎ユウキにそんな技術ありませんがな。


そうそう、『もういない。』と言えば、最近無性に吉佐美が可愛く思えるようになってきました。
当初は目立たない子だったのに……。

全ては
『じゃあ×××の冒頭で××に××するっていう設定にしよう!』
って風呂場で閃いてしまったせいだ!

そしてさらに、
『そういえば××××が言ってたな、「どんな××にも、××いる×がいる」って。それじゃあ××には吉佐美に××××を投影させるしかないなっ!』
って風呂場で絶叫してしまったせいだっ!


しかし……。
そうすると(元々存在感が薄いけど慶二が引っ張る)いずみんの存在がさらに小さくなってしまい、
バランスって難しいな、なんて思ってたりしています。


じょがぁにも『田舎来い』の企画者であるスルガっぴくらいのパワーがあればねえ……。


まあ、今後統流たちがどうなっていくのか、じょがぁもとても楽しみにしています。
実際第一部の中盤に突入しているであろう現在、第一部のクライマックスに未だ迷っています^^;
逆に第二部はクライマックスのみ構成が出来上がっていて、それまでの構成は雰囲気だけ。
で、第三部はごっちゃりしてるだけって感じです。

えー……
どうして詩の話からここまでぶっ飛んだのかは知りませんが
最近プロット作成が楽しいと思えます。
執筆は相変わらずナメクジですがね^^;
詩もいつか書き始めよう。

ではでは、現実逃避の独り言もここら辺で。






独り言にしては長すぎだろ。
さてさて、どうも、なんかもうじょがぁです。


明日から三日間試験です……。

なんというか、こんなに試験を受けるのが怖いのって初めてです。
っていうか、高二の分際になって初めて試験の重要さを知った自分は、
やはりみんなから「ざまぁwww」と叩かれるべき人間でしょうね。

まあ、叩かれたりうざがられるのは別にどってことないんすけど、
それより今までの自分がどれほど軽薄で鈍感で馬鹿な人間なのかっていうのが、
本当に、本当によくわかったような気がします。


まあ、ここから自分に正直になってやっていこう。投げ出したいけども。
ども、タイトル通りのじょがぁです。


えー、喉が渇いたのでなんか飲もうと冷蔵庫を開けたわけです。

入っていた飲み物。

・水
・牛乳
・野菜ジュース


……。

どれもたくさん飲むものじゃないですね。
(野菜ジュースならすぐに500mL飲んじゃいますけども)

仕方がない、ここは水を飲みやすくしてみよう。


というわけで、体内の水に近づけるために砂糖と塩を混ぜてみた。

もちろん適当です。


用意するもの

・グラスジョッキ
・水(たっぷり)
・グラニュ糖(3g)
・アジシオ(数振り)
・氷

創り方作り方

1.グラニュ糖、アジシオをグラスジョッキに入れる

2.水を入れる

3.スプーンなり箸なり手なりでよくかき混ぜる

4.氷投入

5.出来上がり♪


早速飲んでみる。


















ゲロ不味い(体内の水的な意味で)



と、いうわけで、

人生に失敗はつきものだよ、テヘッ☆






どうすんだよ、この液体……。
ども、ケツが痛いです、じょがぁです、
という挨拶は何度目なんだろうか? と思っているじょがぁです。おはこんばんにちは。


こう……秋で雨で室内にいると体がムズムズとしてしまいます。
なんか、すっごく背伸びしたい感じ。同時に欠伸も出しちゃいたくなるような気分。

でも、それをあえてしないで耐えていると(Mじゃないです)、無性にSFが書きたくなりますね。
いや、SFと言ってもサイエンスフィクションじゃなくて、ですね……。


宇宙ヤバイってくらいの壮大なスペースファンタジー……。
宇宙船とレーザーと魔法……。
不思議な力を持つ少女。
その力を狙う悪の組織。
偶然少女に出会った少年は、その運命に巻き込まれてしまう……。
組織にさらわれる少女。
少女を救うべく立ち上がる少年。
少年を手助けする謎の男。
なんとその男は、大のコーヒー好きである、伝説の――



もうね、王道まっしぐらってくらい王道のお話でいいから書きたい。
いや、むしろ書かなくていい。書きたいと思っているだけでいい。
ただただ、昔のように自由な発想と想像で元気なキャラクターたちを活き活きと描いていきたい。

うーん、マンダム……。




そういえばワールドフューチャーシリーズもSF(サイエンスファンタジー)なんですよねえ。
全然書いてませんけども……。

でも、今それに大変革が起こっている。主にじょがぁの脳内で。


という、独り言。
本日二回目の更新じょがぁです。

というわけで、皆さんにもお裾分けの作業用BGMです。


個人的作業用BGMの基準は、

・時間が長い(出来れば100分以上)
・アニメ・ゲーム・ニコニコ色のない真面目なBGM
・激しくない。
・ある程度音質がいい。

この四つを満たしたものを使用しています。
(本来は音楽ナシがベストなんすけどね^^;)


というわけで、遅くなりましたが皆さんも勉強ファイトです。
勉強じゃない方もファイトです。ぜひ聞いてくださいな。

【 くつろぎの時間 】 05


190分くらい。その名の通り。
ちょっと重いかも。

※注1 場合によっては十分辺りで止まる場合があります。
     そのときはブラウザの更新ボタンを押してください。


作業用BGM ソロギター 約200分


200分くらい。その名の通り。
ちょっと重いかも。

※注1 7分過ぎと123分あたりで雑音が入っています。ヘッドフォンの方、特に気を付けて下さい。
※注2 場合によっては10分辺りで止まる場合があります。
     そのときはブラウザの更新ボタンを押してください。
ども、じょがぁです。なんか久々な更新って感じですね(汗
そうでもないんすけどね。


さてさて、いつかに言ったとおり現在テスト一週間前に入っておるわけです。

でもって、誰しもこの時期に入ると思うことがあるのではないでしょうか?
(いや、個人差ありますけどもね……;)


・気付いたらマンガを読んでしまっていた。

・ふと我に帰ると絵を描きまくっていた。

・冷えて固まったヤキソバはうめえ……!



誘惑が多いんですよねえ……。

いや、待て。逆に考えよう。

どうして誘惑が、しかも誘惑そのものは常にあり続けるのに、
誘惑と化するのはいつだってテスト間近なのだろうか?

例えば、マンガはいつも本棚にあるけども、むさぼり読みたくなるのはテストが近くなると、
というようなそういう話です。


ただの現実逃避?

それもあるでしょう。

ですがね、じょがぁにはもう一つ理由があると思うんですよ。


それは、普段やっていないことをやる、そしてまたいつもとは違うことをやる、ということ。

……そこ、理由が二つあるじゃないか、という指摘はしないで結構ですぞ。

普段やっていないこと、ということは、無論勉強です。

人は基本的に変化を『不安』として捉える生き物です。
まあそれは人に限ったことじゃありませんけども。

勉強をすること……。
特に普段勉強をしていない人にとって、これは慣れない作業です。
慣れない作業を一人でする……それはとても『不安』なことです。
しかも「この方程式が解けないよ~」「日本語でおk」などなど、行き詰まるとなおさらですね。

そして、ふっとその『不安』が溜まっていきます。

そうすると、無意識的に、必然的に『不安』を和らげたくなるわけです。


ふと目に入るところにある『まなびや1』

ああ、小島あきら先生の新作だ……!
こいつは同時発売の『わ!1』と一緒に読まねば……!



と、こういう具合になる、というわけです。



また、いつもとは違うことをやる、ということも重要な点です。

多くの方は普段部活やバイトで忙しいわけですが、
テスト直前になると我慢して勉強に縛られる(という言い方でよろしいのか?)ことになります。

すると、いい言い方をすると『気分転換』ができるんですよね。
(ちなみに悪い言い方は先程言った『不安になる』なんちゃらです)


小説家の端くれの糸くずである自分でも思うことがあります。
煮詰まりすぎると考えがまとまらずに、
最悪の場合作品全てを没にして「あー、再構築面倒だなあ……」
と途方にくれてしまいます。

そんな煮詰まりコトコトしているときにテスト期間があると、
一旦火は消されて煮えたぎりすぎた創作意欲の熱が冷めていきます。

これこそ、『気分転換』なんだろうと思います。

そして、おまけに勉強をすると脳が活性化されます。
一旦リセットされた脳ミソがまた始動しはじめます。


すると、なんということでしょう。

「ふと芝瑠璃ちゃん(詳しくは学びや買いたまへ)が描きたくなった。今ならめちゃくちゃ上手く描けそうだ!」
「こんなストーリーにすれば面白いのに……忘れないうちにメモメモ」
「いいフレーズひらめいた! 後悔してもいいから作曲すんべ!」


などなど、こういうことが起きるのです。


最初の方で、『一つ理由がある』と言いながら二つの理由を上げましたが、意味があります。

『普段やっていないことをやる』
『いつもとは違うことをやる』

この二つは、今まで述べていたように、ただ裏返しであるにすぎないからです。
そう、じょがぁは思っています。




というわけで、本日の結論。






ブログ書いてないで早く勉強しろ。

学生の本業は勉強なんだからね! この期間は誘惑を振りきる修行だって忘れないように!
……かかか、勘違いしないでよ! 別にアンタのために言ってる訳じゃないんだからっ!

 午後の授業は何週間ぶりになるんだろうか。
 ブランクがある、という理由にはしたくないが昼食直後の数学はかなり来るものがある。具体的に言えば、眠気に襲われやすくなる。
 余弦定理だとか、正弦定理だとか、ワケが分からん。つーか二年の初っ端から難しすぎだっての。
 そう言えば……サインとコサインは似てるけどタンジェントは似てないよな。性質も違うし名前も全然違う。
 どこか似てるところはあるのか? とオレは模索し始めた。
 サイン、コサイン、タンジェント……。
 サインとコサイン……。親サインと子サイン……。
 コサイン、タンジェント……。
 コサイン、タン……。コサインたん……じぇんと……るまん。
 親サインたん子サインたん、ジェントルマンたん。
 ……あー、オレも大瀬崎病がうつったのかもしれない。かくいう大瀬崎は隣の席でぐっすりとノートをヨダレで汚しているわけだが。風邪はうつすと治ると言うが……って、マジで冗談じゃない!
「それでは、春休みの宿題を返したいと思います」
 授業終了五分前に先生が言った。始業式のあとに提出したワークブックがもう返されるみたいだ。
「えーと、誰か配ってくれると助かるんだが……」
 おいおい。クラスメートの名前なんてまだ誰も覚えてねえぞ。しかも出席番号順で座ってる訳じゃないからなおさら分からん。そう思ってる人が多数を占めると言っても過言じゃないはずだ。
「はいはいはいはいはいはいっ!」
 と思ったオレがバカだった。隣から威勢の良すぎる声と共に元気のいい手が挙がったからだ。ってか、ついさっきまで涎垂らしてただろクセに、いつから起きてたんだよ。
「おや、ええと、大瀬崎君だね、ありがとう。他に誰かやってくれる者は?」
 仕方がない、オレもやるか。やる気のない手を挙げる。動けば眠気も吹っ飛ぶだろう。授業終了五分前なわけだが。
 かくして、ワークブックを一人一人に渡すことになったのだが、早速後悔している。
 大平落洋って誰だよ。『大平落』と『洋』の間が空いてるため、ここが苗字と名前の境らしいが、じゃあ『大平落』でなんて読むんだか……。『大平』と『落洋』ならまだ読める気がするのだが。まあ、気がするだけで『落洋』なんてどう読むのか見当もつかないわけだが。
 くそ、どうして大瀬崎はこんな面倒くさいことを進んでやってるんだ。一年の頃、こういうことはとことんやらないタイプだったのに。
「うおおお! いずみちゃんの字ってメチャクチャきれいなんだね!」
 やれやれ、どうせそんなことだろうとは思っていたから何も言うまい……。


 担任の現代社会の授業も終わり、そのままHR、放課後となった。
 夕方からバイトもあることだし、長居は無用と教室を出た。アパートに帰って掃除でもしてよう。あの狭っ苦しい部屋は、掃除を怠るとすぐに散らかってしまうからな。
「あ……」
 ドアを開け、廊下に出るとちょうど過ぎ去ろうとしている伊東と目が合った。カバンは見当たらず、代わりに左腕にはクリアファイルを持っている。
「よう、何してるんだ?」
 別に訊く必要はないのかもしれないが、挨拶がてら尋ねていた。
「え、あ、あの、部室に行こうかと」
「部室? 伊東って部活入ってんのか?」
 オレも大瀬崎も奏も帰宅部のため、部活なんて縁のない話だと思っていたが、よくよく考えてみると入ってない生徒の方が圧倒的に少ない。だから伊東みたいに部活に入ってるのが当たり前なんだよな。
「そうですね、合唱部なんです」
 伊東がクリアファイルを指差した。中に入っている白い紙は楽譜で、合唱曲のそれなのだろう。
「大変そうだな」
 帰宅部のオレにとって、部活のイメージは『大変』だ。その次に『面倒臭い』がランクインする。
「いえいえ、全然そんなことありませんよ! とっても楽しいですよ」
 伊東は手と首を振って言った。その照れたように笑う伊東を見ると、『大変』で『面倒臭い』部活もまんざらでもないらしい。
 もしかしたらオレがバイトで料理を作ってるときのような感覚なのかもしれない。
「なら、伊東は歌を歌うことが大好きなんだな」
「もちろんです! あ、でもやっぱり部活の友達と一緒にいれるってことが一番ですね」
 そんなものなのだろうか。中学から部活に入っていないオレにとっては未知の感覚だし、バイトの食堂では店長とオレがいるだけで、親しく話せる仲間のような人はいない。どうせクラスの友人のような表面だけの付き合いとは違うはずだろう。
 そう思うと、オレの知らないものが詰まっている『部活』ってものが羨ましく感じられた。
「あの……」
 伊東は少し照れくさそうにしてオレを眼鏡越しに上目遣いで見る。そう見られると少しどきりとする。
「もし宜しければ、ちょっとだけ見ていきませんか?」
 少し思考を巡らす。
 今、なんて言った?
 ちょっとだけ見ていきませんか?
 何を?
 いや、何をっつっても、文脈から言って「一緒に映画を見ていきませんか?」とは言えないだろう。ってか、そのノリは「ヘイカノジョ、オチャシナーイ?」くらい古い。
 さて、伊東はこんなオレに合唱部を見学してもらいたいみたいだ。
 オレとしてはバイトまでの時間、これと言ってすることが無かったから暇つぶしとしては最適だ。
「長居は出来ないが、いいのか?」
「もちろんです! ありがとうございます!」
 ぴょこんとサイドポニーを揺らし、お礼までされてしまった。こんなとき、どう返せばいいんだ? どういたしまして、か? オレが行く立場なのに? いいや、知らん。
 でもどうしてオレなんかを誘ったんだ? と伊東に訊きたかったのだが、急に輝きだした瞳とオレを部室まで案内する背中を見て、思いとどまってしまった。
 振り返って思えば、このときは「嬉しそうなら別にいいか」なんていう簡単な気持ちだった。深く考えようと思えば考えられたのだが……。


「今日の練習はどうする?」
「穂枝君もいるんだし、まずは課題曲を通して歌おうよ」
「パート練習はそのあとかな? あと自由曲の方も……」
 まあ、そんなわけで、オレは合唱部の部室の隅っこに座っているわけだ。
 合唱部と言えば音楽室をイメージするが、この部屋は辺りを見渡すまでもなく違う教室だと分かる。……いや、実際教室なのかどうかでさえ危うい。数年前までは物置で、あとからこじつけのように『合唱部室』となったようにしか思えない。窓の下にあるテーブルクロスを敷いた机(生徒用の机を六台合わせている)と小さな本棚がなければ、『物置』と何ら違いはない。
 さておき、この部屋はこの高校の最上階である四階の隅という目立たない場所に位置しており、寝転がって両腕を伸ばせば両壁に足と手がぶつかりそうなほどの広さしかない。狭いことで有名なオレの部屋の居間――つまり、玄関、台所、トイレ、物置を除いた四畳半――といい勝負だ。
 だからだろうか、初めて訪れた場所にしては居心地がいい。ペンキが剥げ、灰色のコンクリートがむき出しになっていることろや、所々にヒビがある古めかしさが代樹荘(オレの住むボロアパートの名前)に似ている……のかもしれない。
 開け放たれた窓から見える空の高くに薄い雲が伸びている。
「それじゃあ、歌いますね」
 伊東がオレに言った。それから、合唱部員の一人がラジカセのスイッチを入れた。
 前奏が鳴り響く。
 そして、合唱が始まった。
 窓のカーテンが揺れている。きっと元気のいい風が仲間を見つけてやってきたのだろう。その風は部室の至る所を駆け回り、それからドアを抜けて廊下へ、教室へ、そして学校中へと広がっていった。ときに小さな男の子たちがかけっこをするように、はたまた幼い女の子たちが大縄跳びで郵便屋さんをするように。
 ああ、オレもああやってた頃があったんだな……。
 歌が、終わった。
 終わってもなお懐かしさに入り浸っていた。
 彼女たちは決してプロの合唱団のように声が美しいわけでも、歌唱技術があるわけでもない。でも元気に満ち溢れていた。まさに、歌って音を楽しむ部活そのものだった。
 こういう部活なら、入ってもいいかもしれないな……。
 音痴じゃなかったら今すぐにでも入部届けをもらいに職員室に行っていたことだろう。
 それから、合唱部はそれぞれ先程の歌の感想を言い合い(オレも簡単な感想は言わせてもらった)、各自で気になるところを調整するようだった。
 合唱部の歌声を聴くのがつまらないわけではないが、それでも退屈なのは退屈だ。それにここは風が心地よい。
 ウトウトと感じ始めたころ、まぶたの裏がふと暗くなった。
「合唱部は、数年前まで『部員がいないのに存在する幻の部活』としてこの高校の七不思議に入っていたらしいんです」
 伊東だった。オレの目の前でちょこんとしゃがみこんでいる。こうして間近で見ると、なかなか整った顔立ちだ。
「この部屋も、ずっと昔は合唱部の部屋としてちゃんと使われてたんですが、あるときから使われなくなってしまったみたいなんですよ」
「そうなのか……」
 もしかしたら、本棚に置かれている古めかしいカメラやらペンダントやら謎の筒は物置だった名残なのかもしれない。
「でもあたしは歌が好きで……だから、なんとしてでも合唱部を立て直したかったんです。色々なエピソードがあるのですが、とにかくあたしたち合唱部四人は、そんな共通の目的を持ってこの部屋にいるんです」
 見た目はおとなしい伊東だが、初めて会ったときになんとなく感じたあの強く滲み出る意志の強さは、きっと嘘じゃない。
 しかし、ほとんどゼロからの状況からここまで立ち直すまで、本当に大変だっただろう。オレみたいな面倒臭がり屋だったのなら、二日と半日で投げ出す。
 ……でも、部活が楽しいとオレに言ってくれた伊東に言わせれば、面倒臭いこと――部活を立て直すことでさえ『楽しい』ことなんだろう。
「……あ、ごご、ごめんなさい! つい昔話をしてしまいまして……!」
 ふと我に返ったように伊東はわなわなと束ねた髪を揺らした。
「いや、別に気にしてねえよ」
 むしろ伊東という存在をもっと知ることが出来たからプラスだと思う。
 しかし、こいつは意外と積極的なんだな。部活を立て直すのといい、オレを誘ったのといい……。
「それではあたしは練習に入りますけども、穂枝君はどうしますか?」
 立ちあがった伊東がそう聞いた。
 携帯電話を開き、時間を確認する。バイトまではまだ時間があるが、ここで残ってしまったらキリよく帰る機会が無くなってしまうかもしれない。
「そうだな、それじゃあ邪魔にならないうちに帰らせてもらうよ」
 立ち上がると、伊東はソバカスだらけの頬を緩ませた。
「そうですか。なんか今日はすいませんでした」
「いいっていいって」
 うーん、なんて伊東は謙虚なんだろう……。まあ、悪い気はしないが。
「それじゃあまた明日な」
「はい、また明日です」
 伊東が小さく手を振って見送る。他の部員も口々に「ありがとうございました」と頭を下げたので、「コンクール応援してるからな」と言ってドアを開けた。
 こういう放課後も、オレにとっては珍しくてなかなか楽しいな。


 そうそう、珍しいと言えばこの話を忘れちゃいけない。
 自分のクラスの前を通ったときに教室に誰かがいることに気付いた。どうせカップルがいちゃついているのだろう、といつものように無視して通り過ぎようとした――
「……ベルくん」
 ――のだが、思わず立ち止まってしまった。
 今、オレの名前が聞こえたような……?
「まだ……トベルくんのことは……よく、わからない……かも」
 間違いない、オレの名前だ。
「あんまし喋ってないからね。内気……というよりかは、場の盛り上げをみこちゃんとスルえもんに任せてる感じだよね」
 奏と大瀬崎も出てくる。
 まさか……と思って、ドアの窓から中を窺い見た。
 予想通り、教室にはカップルがいちゃついていた。長い陽が差しこんだ教室の真ん中で机を挟んで向かい合っている。一人は白渚。そしてもう一人は――。
「すごく、仲良さそう……な気がする」
 大室、だった。
 オレの耳がイカれてなければ、今の呟き声は大室のだ。
 あの大室が、あの無口な大室が普通に話している。控えめな声量だがそんなものどうでもよくなるくらい意外なことで、まさに驚きの一言に尽きる。
「はは、そうだよね。特に統流っちとみこちゃんの仲。あの二人が話してたのは少なかったけど、信頼関係は確固たるものがあるね」
「十年以上前から……遊んでたって言ってたよ……たぶん」
 大室の憶測に、白渚はいたずらっぽく笑った。
「もしかしたら付き合ってるのかもね」
 っ、思わず吹き出しそうになるが、我慢する。
 誰があんな奴と付き合うんだっつーの。大体、そういうのを意識してたのは小学生だったときまでだ! それ以降はもうどうでもよくなってるんだよ!
 冷静に考えてみると、きっとあの頃の感情は長く一緒にいすぎるうちに薄れていったんだろうな。ま、青々恥ずかしい過去だ。忘れてしまおう。
「……そう言えばさ、昼は大丈夫だった?」
 話が変わる。
「えと……どうして、かな?」
「ほら、するがっぴーが変なちょっかい出してただろ?」
 ああ、と昼の光景を思い出した。田舎来いだか日なたの鯉だか知らんが、大瀬崎の暴走のことを話題にしているみたいだ。
「それなら大丈夫だよ……きっと。だって……ケイジくんが守ってくれた、から」
「守ったって言ってもなあ。もっと早くに止められたのに、僕ってやつは……」
 いや、あれで最速だと思うのだが。というか、よくもまあ暴走を丸められたと誉めたたえたいくらいだ。
「あのあともなんかされなかった?」
「え……? えと……、きっと……」
 大室が曖昧な返答をする。
「ほら、なんかされたんじゃないか」
「ちょっと……声をかけられた、かも」
 あれか、数学のときの話か。多分あれも『田舎来い』の一環なんだろう。
「明日もちょっかい出してくるかもよ?」
「それは困る……気がする」
「なら今のうちに距離を取った方がいいんじゃない?」
「それはダメかもっ!」
 大室が慌てて声を上げる。なぜか語尾が憶測なのは変わらないが、その強い意志はしっかりと伝わる。
「どうして?」
「だってスルガくん、わたしのこと嫌ってなんかないからっ! ――ただ、そんな気がする、だけだけど……きっと」
 少しずつ語勢が弱まっていく。本当にそうだという自信はないが、そうであってほしいという願望は強いらしい。
「そうだといいんだけどさ……」
 白渚は溜息交じりに大室の髪を撫でた。
 とにかく、白渚は大瀬崎のことを良くは思っていないようだ。そりゃそうだ、彼氏を目前にして彼女をデートに誘うだなんて自殺行為だと思う。白渚がそう思うのは自然のことだ。
 逆に大室は大瀬崎のことを悪くは思ってないみたいだ。それがいかなる理由でそうなのかは、今のオレにはまだ分からないことなのだけれども……。
 ま、人の考えにとやかく突っ込む気はないし、二人にバレないうちにバイトへ行こう。


 バイト先は国道沿いにある小さな食堂だ。店長一人、時々バイトのオレが一人の計二人で用は済む。バイトと言っても掻き入れ時にはカツを揚げたりチャーハンを炒めたりと、やることは店長と何ら変わりはない。皿洗いやテーブル拭きなんかの雑用も多いのは認めるが。
 日曜には初めての仕込みを任され、少しずつやれることが増えていく。
 こういうところが料理道の醍醐味、というものだ。
 バイトが終わると、日はとっくに沈んでいた。僅かに冬の気配が残る風はあるものの、もう十分温かい。犬の散歩をしているおばさんの数も、心なしか増えているような気がする。
 代樹荘に戻る前に行くべきところがある。銭湯だ。
 あのボロアパートは家賃が安い代わりに風呂と暖房冷房が無い。最初は苦労したが、今ではそれにも慣れてしまった。だから風呂はこうして銭湯に行くか、はたまた大瀬崎家の風呂を借りるのかのどちらかだ。
 行きつけの銭湯は何ら特徴のない普通公衆浴場だ。壁に描かれる富士山にもうひと捻りあれば儲かるのに、といつも思う。
 ホクホクの体で、今度こそオレの部屋へと帰る。
 ドアノブに手を掛けた。
「お帰り、統流君っ!」
 また聞こえる、ソフィアの幻聴。
 もういないんだから、と無視を作りだして木製のドアを開ける。
 真っ暗な一室。
 呆れるほど寂しい空間。電気を付けると、ようやく現実に引き戻される。
 ソフィアはいない、もういないんだ。
 お茶の匂いは、実家から親父が毎月段ボール一箱分送ってくるものだ。オレの親は伊豆でお茶を作っている。もうそろそろ新茶の収穫時期だ。来月はどっさりと送りつけられることだろう。
 飯はバイト先で頂いたので、あとは宿題をやって寝るだけだ。
 ソフィアがいた頃は、バイト先では飯を食わず、ここでソフィアと一緒に夕食にする。それからソフィアの『落し物』を探すためにこのアパートの裏にある代樹山を彷徨い歩くのだ。真冬だった当時は、寒くて寒くて仕方がなかったが毎日山を登ってたなあ……。
 あれから一度も代樹山を登っていない。もう枯葉だらけの地面からシダが繁茂しているのだろう。こうにもなってしまったら『落し物』なんて絶対に見つかりっこないな。
 ま、そんな『落し物』探しも楽しいのかもしれないが……。
 いや、ソフィアがいた日々。それそのものが楽しかったんだ。
 ……と、携帯が揺れる。
 今までの回想を邪魔するメールが来たらしい。携帯を開いて確認する。
 送り主は大瀬崎だった。

『タイトル:田舎来い第二回戦』

 ……マジかよ。開く前から嫌な気しかしない。二回戦って、戦う気満々だな。

『明日、校門でいずみちゃんが登校するのを待ち伏せしようと思う。是非とも積極的な参加を望む』

 ……なんらストーカーと変わらないぞ、大瀬崎。
 しかも、このメールは一斉送信しているらしく、オレともう一人にこのメールが届いていることを示していた。
「奏にも……送ったのか」
 何をやろうとしているんだよ、あいつは……。
 もう、全く予想のつかない毎日が始まる予感がしてならなかった。



第八話『白いきれと箱』に続く

第六話に戻る
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『城ヶ崎の小説ども』に戻る。
ども、じょがぁです。

色々と言いたいことがありますけども、今日らへんからテスト一週間前なのです。


勉強しないとですね(汗
今回のは特に、です……。


さて、Read More...でコメント返信っす。

⇒続きを読む

うおお! 見えた見えた!

めっちゃくちゃきれい……というか、流れ星がデカかった!

こう、東の空から天上へとフアーっと流れていって、その残像が残るんですよね。
一時間でたったの三つ(そのうち一つは微妙なもの)でしたが、
本当に心の中に流星が刻まれましたね。


しし座流星群は前にも見たことがあるんすけど、
あのときの記憶とは比べものにならないくらいきれいだったなあ……。


ちなみに、オリオン座流星群は真夜中~明け方の方がたくさん見られるっぽいです。

でもって、十月二十一日未明が一番流れ星が流れるとかなんとか。


たくさんの流星を見たい方はぜひ^^
今からオリオン座流星群見に行ってきます^^


流れ星なんてずっと見てなかったからなあ……。

ちなみに、目覚まし情報では十時~二時くらいが見ごろだそうです。
(曖昧な記憶ですが)



やることがない、暇だ、眠れない、という方、もしよかったら東の夜空を見てみるといいかもですね。


参考:これ
どうも、じょがぁです。
今日は近々行われる審査の会場下見してました。


まあ、そんなことは置いておき、
奈祇氏に影響されてこんなものを作ってしまった。
よかったらやってみてね!

翼の生えた少女検定

なるたけ簡単になるように頑張った。難しかったらごめん。




でもって、「こんな簡単なのつまらねえよ!」と言いたげなあなたへ贈るEX版。

翼の生えた少女検定EX

一週間後にじょがぁがやったら多分不合格になるような感じのやつ。


まあ、よかったら楽しんで下さいな^^
あー、たまにでいいからどこかの飼い猫になりたいものだ……。
と思ったけど、猫は猫なりに大変なんだろうなあ、と思ったのでやめておこう。

せめて犬だな。

ども、じょがぁです。お久しぶりです。



うーむ、ブログのネタが思い浮かばん……。
ついでに小説のほうもあんまし進んでません(汗
ですけども、まあこのまま一週間更新を続けていきたいです。
すんごーくヤバい状況になったらまた別ですが……。


前もいいましたけど、いつか伊豆の根っこらへんに行きたいものです。
どうやら『明治史料館』たるものがあるらしく、そこらへんが沼津茶の産地だそうで……。
まあ、海を見ながらお茶も見つつ、抹茶を頂いてこようかなと。
(ミニ取材っすけど)


そうそう、小説のほう自分の腕不足で目的が曖昧なまま進んでしまっていて申し訳ないです。
かといって、統流たちがこれから何をしようとするのか――。

そういうことはこの場で言うのはいけませんね。

というか、うちが言うんじゃなくて、統流たちの口から言わせてやらないと親失格ですね^^;


前作みたく、
『翼の生えた少女を未来に……もとの世界に戻してやる』というように、
明確な目的(個人的にはすでに第一部『不安』での目的は掲示されてるんですけどね)が
ありませんからね……。
(新たな登場人物の説明が長ったらしすぎたな、と反省してます)

まあ、腕不足だというのは十分承知しとります。
これからは少しずつちらつかせていこうと思っていたり思っていなかったり。


この更新で書いたことが忘れられている頃に第一部の目的が明らかにさせてやりたいものです。


ってなわけで、これからも頑張っていこう。
まあ、執筆止まってるわけですけどね(汗

 昼休みになる。
 恐らく一年の今頃に興味本位で覘いたきり、屋上になんて行ったことがなかった。しかも弁当を引っ提げて来るとはな。今時、都内の学校みたいに屋上をグラウンド代わりにしている例を除けば、屋上に入れる学校なんて少ないのかもしれない。人の幅のないオレでさえ「屋上が解放されているからこの高校に入った人もいる」という噂を耳にしたことがあるくらいだ。
 ただ単に屋上に行けるだけならこんな話はしないし、噂だって広まらなかっただろう。なんと言っても、ここから見える景色が絶好なんだ。
 扉を開けると、代樹山から流れる風がオレを迎え、前方に広大な山々がそびえ立つようにしてオレを見つめている。その山と山の間で空の青と白を映しているのは、少し桃色に染まった湖だ。ここからなら食堂からは見えない川底まで見える。かつて、ここは風情ある渓谷として有名だったと地元出身の老教師が言っていた。確かに緑と岩と水が層になっているようで、川岸に行けばきっと時が経つのも忘れてしまうのだろう。
 振り返れば、日本一広い平野である関東平野が広がっている。意外と山奥なのかと思っていたが、地理的に言えばそうでもないようだ。薄ぼんやりと中世風のレンガ色をした巨大な高層ビル群が伸びている。多分再来年にはもう二、三本生えていることだろう。東京のビルは無機物で嫌いだが、こっちのビルはちょっとお洒落で好きだ。さすがにここで見るのは難しいが、夜景もきれいなんだろうな。
 今まで忙しかった(というか、面倒くさかった)ために、ずっとこの景色を見逃していたのか……。そう思うと残念だが、きっとこれからはたくさんこの景色を見るのだろう。
「穂枝君、大瀬崎君!」
 湖の方から声がしたので、そちらに振り返る。伊東が遠慮がちに手を振り、奏はこちらをちらと見てから、新鮮な空気を味わっていた。
「うっし! 飯だ飯!」
 食い物しか目のない大瀬崎が学ランをはためかし駆けだした。やれやれ、オレもそいつのあとをゆっくりと付いていく。
 二人はレジャーシートを引いて待っていた。その準備の良さにオレは一瞬戸惑ったが、伊東はここでの昼食を一年も続けているのだ。このくらいの用意は習慣化されていても不思議じゃない。
 真ん中に小さな弁当箱が置かれている。きっとこれは伊東の作った弁当だ。
「えと、適当に座って下さい。あ、お尻が痛いかもしれませんから、これもどうぞ」
 と、伊東から小さな群青色の座布団が渡された。触り心地と匂いから、これが新品なのだとわかる。
「これ、新品だろ? どうしたんだよ」
「あ、えと、これから皆さんここで食べることが多くなると思うので必要かな、と……」
 伊東は自分が座っている山吹色の座布団を軽く叩いた。ちなみに奏の座布団は橙だ。
「いや、そう言う意味じゃなくて、誰が買ったんだよ、この座布団は」
「え、ああ、そう言うことでしたら、この座布団たちはみんなあたしが買ったものです。……あ、近くにとても安く売っているお店があるんです。それに、こういうの買うの趣味ですから、遠慮せず好きに使ってください」
 オレの顔色を見て、付け足すように最後の台詞を付け加えていた。つまりは、お金は払わないで結構です、ってことか。せっかくの厚意だし、ここはありがたく好き勝手に使おう。
「やあ、遅くなったね」
「…………」
 それから白渚と大室がやってきた。相変わらず無言の大室の手には大きな箱を包む風呂敷を持っている。
「お二人とも、座布団をどうぞ」
 伊東は二人に座布団を渡した。どちらも青っぽいが、どちらかと言えば白渚の方は水色に近く、大室の方はクリーム色っぽい青だ。
「あの、俺の座布団は……?」
「さ、みんな揃ったところだし、昼食にしましょう」
 しばらく景色を楽しんでいた奏が、ここぞとばかりに大瀬崎のぼやきを遮った。
「そうだね、僕も早く食べたいよ」
 白渚はほんの一瞬大瀬崎を見たあと、大室を目だけで見つめる。彼女は顔を赤らめて風呂敷をシートの上に置いた。便乗してオレも弁当を出すことにした。そして、大瀬崎は無言で正座する。はだけた学ランとその下の白いYシャツだけ見れば、誰とも関わり合わない一匹狼な不良だが、根はやさしさに溢れた男のように見える。もっとも、その服装を見ているだけだからであって、大瀬崎がそうだというわけではない。
 伊東の弁当は、おにぎりに山芋と人参の煮物、ほうれん草のおひたしと、家庭的な和風のおかずが並んでいる。一方オレの弁当はサンドウィッチ、ダシ巻き玉子、唐揚げと、お弁当で定番の品で決めてみた。こういうメジャーなおかずは意外とダブらないからな。それに、こういう単純なものこそ、調理人の情が映る。
 それらに対して、大室はいそいそと風呂敷のコブをほどいている。片結びが箱の自重で強く結ばれてしまったのだろう。ってか、どんだけ重いんだよ……。見た目、でかすぎるし。
 ようやくコブがほどけると、中から漆塗りの四角い物体が現れた。大室はそれを分解していく。一段、二段、三段……。
「これは、重箱……?」
 いや、口に出さなくても分かるが、それでも思わず口が開いてしまう。
 今日は正月か? 桜の咲く正月ってか? ……なるほど、旧正月か。って、んなわけねえだろ。
 じゃあ中身はお節料理なのか? 春真っただ中なのに? ……そうか『お節』って季節の変わり目のお祝いだから合ってるのか。
 だがしかし、重箱の中身はごく普通の料理――といっても、サーモンのムニエルやチンジャオロース、稲荷寿司、とろけるチーズとバジルのピザなど、レベルの高い和洋折衷なわけだが――が連なっている。それなら別に正月云々の問題はない。……いやいやいや、そもそも学校に重箱持ってくるのがおかしいから。
「いや、悪いね。いずみんはいつも重箱なんだよ」
 苦笑いを浮かべながら白渚は髪を掻きあげた。つまり大室はこの重箱に相応するだけのメニューを考え、作り、詰めているというのか。しかも一日二日ではなく、一年も。
 それが出来るほど、大室は料理が好きなのだ。
 いや、違う。ただ単に好きなだけでこんなこと出来っこない。重箱の中に入っている一品一品はどれも手間暇のかかるものばかりだからだ。オレにはとてもじゃないが、精神が持たない。
「それじゃあ、頂きますか」
 白渚慶二。手を合わせる彼は大室の彼氏だ。箸で稲荷寿司を取り、食べる。
「うん、美味しいよ。いずみん、春休み明けてから料理上達したんじゃない?」
 優しく彼女の頭を撫でる白渚と、嬉しそうに顔を赤らめる大室。この場でいちゃつかれるのは少々気分が悪いが、さておき白渚という存在がいるからこそ、大室は頑張って作れるのかもしれない。
 ソフィアがいた頃、オレも頑張っていた。おかずは何にしよう、何を作ればソフィアは喜んでくれるだろうか、あいつはうまく箸を使えなかったが、慣れさせようと箸でも食べやすい料理を考えたこともあった。そういう、ある種の妄想は苦痛ではなく、むしろ楽しかった。独り暮らしの退屈な料理なんかより、ずっとやる気が出たし、一緒に食べるご飯は温かくて美味しかった。
 だから、大室は頑張れるのだ。
「うおおお! いずみちゃんの作った弁当、マジでうめえ! 超うめえ! アットファースト・オブジ・デリーシャス!」
 そして、その頑張る気を一気に削ぎ落とす男がここに一人。なんだよ、『美味しいの最初は』って。突っ込むべきところはそこ以外にも山ほどあるが。
 大室は突然の大声に体を震わせ、小動物が物陰に隠れるように白渚にしがみついた。
「なあなあいずみちゃん、このほうれん草おひたし、めちゃくちゃうめえんだけど! どうやって作ったんだよっ!」
 色々言いたいことはあるが、大瀬崎、それは小松菜のバター炒めだ。
 これが午前に言っていた『いずみちゃんとなかよしこよし計画』の真相らしい。
 震える大室、大瀬崎を笑顔で睨む白渚、戸惑いを隠しきれていない伊東、ついに壊れたか……と粗大ゴミ収集業者を携帯で検索する奏、そしてあまりのアホっぷりに出る言葉もないオレ。
 他にもっといい作戦があったのに、どうしてあえて強行突破な作戦を選ぶんだよ……。
 初めての屋上での弁当。なのにみんなの箸は進んでいない。ヤバイ、これはヤバイ。


●オレが大瀬崎の暴走を止める。
○奏に大瀬崎の暴走を止めてもらう。


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 仕方がない。オレが大瀬崎の暴走を止めるしかないようだ。
「おい大瀬崎、大室のこと意識してやってるんなら、もっとソフトに接していったほうがいいと思うぞ」
 これは大瀬崎のため、と言うよりかはみんなのため、と言った方がいい。こいつはやりすぎなんだ。
「な……穂枝っ! お前、早速裏切るのかよ!」
「え……?」
 奏の箸が落ちる。
 同時に感じる、疑惑の眼差したち。
 このままだと共犯扱いにされてしまう。
 それだけは勘弁だ。
 いいか、オレ。ここは変に言わず、冷静な対処をするんだ。
「裏切りが何なのかは知らんが、オレはただ単にアドバイスをしてるだけだ。勘違いするな」
「オッケイ、わかった」
 大瀬崎はすんなりと了承し、そして大室にずいと寄った。
「じゃあさ、土曜日に何か作ってよ! 俺だけに!」
 全然ソフトじゃねえよ! 大室、涙目になってるだろ! どう責任取るんだよ! と、心の中で突っ込んだ。口に出したいものだが、口に出した途端オレは共犯扱いされるからだ。
 スマン大室、オレには大瀬崎を止めることが出来なかった。いや違う。もはや大瀬崎の暴走を止められる人間が存在しないんだ! もうムリだ。諦めろ大室。
 と思うのが知り合いの統流君の意見で、大室の彼氏である白渚は違った。
「あ、そうだ。土曜日で思い出したよ。昨日から思ってたんだけど、土曜にみんなで遊びに行かないかい?」
 ニコリと笑いながら白渚は言った。
「名案ね」
 すぐに奏が乗ってくる。奏も早くこの空気から逃れたいらしい。
「なるほど、それはそれで……いいね、是非ともやろう!」
 大瀬崎も続いて賛同する。どうも策略があるようにしか思えないんだが。
「親睦も交えられるしな、いいんじゃないのか」
 とりあえずオレも反対する理由が見当たらないため、白渚の案を支持しておく。
「吉佐美は?」
 伊東はぼうっとオレの弁当を見つめていた。そんなにオレの弁当が食いたいのか? 伊東は奏の声にビクリと体を震わせ、辺りをキョロキョロと見渡す。
「土曜日にみんなで遊びに行こうって話なんだけど」
「へ? あ、はい、えと、土曜日ですか? 大丈夫ですよ」
「そか、じゃあ決定ね」
 奏がふっと微笑んだ。こういう、一瞬だけ見せる奏の笑顔はオレの胸のどこかに何かを残していく。
「それじゃあ、どんな所に行こうかって話なんだけど――」
 そんなこんなで、詳しい内容は白渚と奏が中心になって決めるようだった。白渚と会って間もないが、どうやら彼はこういう催しものが大好きなのだと見られる。そいつの彼女はというと家とか図書館でゆっくりと本を読んでいるイメージが強いが、準備の手際から、大室もみんなで遊ぶことが好きなのかもしれない。ならどうして喋らないのか、という矛盾は生じるのだが。
 とにかく、企画構成はこの二人に任せても良さそうだ。それじゃあオレは伊東と大室の作ってくれた弁当を食べつつ、みんなと親睦を深めることに努めよう。
 そして、伊東との出身高校の話が一段落したところで、また土曜の企画が大体まとまった辺りで予鈴が鳴ったのであった。


第七話『入相』に続く

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『城ヶ崎の小説ども』に戻る。


 奏に目配せをする。奏がオレをちらと見てきたので、二度大瀬崎の方へ視線を移し、無言で趣旨を伝える。
 奏が頷く。どうやら伝わったようだ。空咳をし、大瀬崎の方を向く。
「駿河、いずみが困ってるの、分からない?」
 短くかつ率直にオレの言いたい要項を言ってくれた。
「はい?」
 大瀬崎は奏を一回見てから大室の顔をまじまじと見つめた。
 肩は小さく震え、目に涙を浮かべながら白渚を見つめている。大瀬崎といるせいか、大室の笑顔を見るよりも涙を堪えている姿を見る方が多い。よくよく考えてみると、これは凄く悲しいことだ。
「……俺にはとてもとても困ってるようには見えないなあ。むしろ嬉しそうにさえ見える」
 恋は盲目、とはよく言ったものだ。いや、この状況でそう慣用してしまっていいのかは知らん。ただ言いたいことは、お前の盲目フィルターはどうなってるんだよ、ということと、勝手に大室をMにするな、ということだ。
「……呆れた。もう何も言いたくないけど、もういずみを困らせないで」
 溜息を吐く奏。奏と溜息はもう馴染み深いのだが、その原因はどこか違和感を感じる。『田舎来い』作戦の一環とは言え、こんなに大瀬崎が大室に突っかかるとはな……。
「オッケイ、わかった」
 と思っていたら、案外すんなりと了承していた。そして、大瀬崎は大室にずいと寄った。
「じゃあさ、土曜日に何か作ってよ! 俺だけに!」
 こいつ、全然分かってねえ! 大室の奴、完全に白渚の背中に隠れちまっただろ! どう責任取るんだよ! と、心の中で突っ込んだ。
 奏は頭を抱え込んで、やつれた息を吐いた。
 スマン大室、オレも奏も大瀬崎を止めることが出来なかった。いや違う。もはや大瀬崎の暴走を止められる人間が存在しないんだ! もうムリだ。諦めろ大室。
 と思うのが大室の顔見知りである統流君の意見で、大室の彼氏である白渚は違った。
「あ、そうだ。土曜日で思い出したよ。昨日から思ってたんだけど、土曜にみんなで遊びに行かないかい?」
 ニコリと笑いながら白渚は言った。
「あら、名案ね」
 すぐに奏が乗ってくる。オレ同様早くこの空気から逃れたいらしい。
「なるほど、それはそれで……いいね、是非ともやろう!」
 大瀬崎も続いて賛同する。どうも策略があるようにしか思えないんだが。
「親睦も交えられるしな、いいんじゃないのか」
 とりあえずオレも反対する理由が見当たらないため、白渚の案を支持しておく。
「吉佐美は?」
 伊東はぼうっとオレの弁当を見つめていた。そんなにオレの弁当が食いたいのか? 伊東は奏の声にビクリと体を震わせ、辺りをキョロキョロと見渡す。
「土曜日にみんなで遊びに行こうって話なんだけど」
「え? あ、はい、えと、土曜日ですか? 大丈夫ですよ」
「そか、じゃあ決定ね」
 奏がふっと微笑んだ。こういう、一瞬だけ見せる奏の笑顔はオレの胸のどこかに何かを残していく。きっと笑顔が似合ってるんだと思う。溜息もお似合いだがな。
「それじゃあ、どんな所に行こうかって話なんだけど……」
 そんなこんなで、詳しい内容は白渚と奏が中心になって決めるようだった。白渚と会って間もないが、どうやら彼はこういう催しものが大好きなのだと見られる。そいつの彼女はというと家とか図書館でゆっくりと本を読んでいるイメージが強いが、準備の手際から、大室もみんなで遊ぶことが好きなのかもしれない。ならどうして喋らないのか、という矛盾は生じるのだが。
 とにかく、企画構成はこの二人に任せても良さそうだ。それじゃあオレは伊東と大室の作ってくれた弁当を食べつつ、みんなと親睦を深めることに努めよう。
 そして、伊東との出身高校の話が一段落したところで、また土曜の企画が大体まとまった辺りで予鈴が鳴ったのであった。


第七話『入相』に続く

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『城ヶ崎の小説ども』に戻る。
ども、昨日は弓道部の友人N氏の誕生日でした!

というわけで、二年男子弓道部員は各々A氏に色んなものをプレゼントしました!


まず、弓道部の部長からunoの『FOG BAR』。

T氏からは見せびらかせなかった(二次元的な意味で)クリアファイルたちが。

そしてK君からは烏龍茶の葉っぱが。

じょがぁからは勢いで作ってしまったかみコップと肩たたき券を贈呈いたしました。

そこまではいいのです。

その程度のプレゼントは、
 単なるプレゼントなのです。



だが我々のプレゼントは一味違う。

それは、T氏に贈られた(?)チャイナドレスから始まり、
A氏に贈られたうまい棒群で確立し、
じょがぁへの様々なプレゼント&うまい棒数百本で伝統化した、レヂェンド……。


我々弓道部男子の誕生日には、ネタ要素が非常に多く含まれているのです!


まずはこちら、



H氏と後輩一同からのプレゼント。


うまい棒四百本の図


うまい棒四百本。


携帯だったのと、あまりにも巨大すぎて手が震えてしまったためにぶれてしまいましたが、

紛れもないうまい棒四百本です。

うまい棒とは思えないほどの重さ。
袋は両手を回しても届かないほど膨れ上がり、
その高さは腰まではいかないものの、膝はゆうに越える程度。



何日間かけて食べるんだろう……。


そして、じょがぁとA氏とW氏は、互いにお金を出し合って一つのプレゼントBOXをあげました。

……やべえ、包装(じょがぁテイスト)を撮るの忘れてた;

まあいいや。とりあえず箱の中身を。


第一装甲


プレゼントBOX~第一の箱~

上部

女王様(SM的な意味で)マスク
天使の羽
みつあみ
日高昆布(ダシ専用)


下部

ミニボーロ×5(箱の左側面~下側面)
乾パン(左上)
光るうんちくん・白(乾パンの下)
ごはんですよ(乾パンの下)
反響マイク(左下)
離乳食・海鮮おかゆ(右下)
PS2ソフト『決戦(中古180円)』(右上)
プレゼントBOX~第二の箱~(『決戦』底部)


まあ、これだけなら普通でしょう。
というか、きっと『~第二の箱~』も普通です。
うわべだけは。


プレゼントBOX~第ニの箱~上部


隠し


リップクリーム×4
指サック(五本入り)
DARTS


そう、ここまではいいのです。


問題は、DARTSをとりだした後なのです。



見ましたね……?


素晴らしき御三家

マニキュア
(よくわかんないRPG)サウザンドアームス
(スポーツとギャルゲー夢の競演)虹色ドッジボール~乙女たちの青春~



この痛々しさ!
めっちゃ買うのに恥ずかしかったぜ!
(買ったのはW氏ですが)

あのですね、最初はですね、

・普通に楽しいゲーム
・絶対につまらなさそうなクソゲー
・ギャルゲー

この三つのゲームを買おうと思ってたんですよ。
だから、じょがぁたちも最初は普通のギャルゲーを買おうとしたんですが、
偶然手にしたそのゲームが『虹色ドッジボール 乙女たちの青春』。

パッケージから滲み出るギャルゲー感と、
N氏がドッジボール好きだという事実が見事にマッチ!


プレゼント候補だったクソゲーを全て棚に戻してこいつを買いましたよ。
ちなみにプレゼントの中で一番高い980円でした。

で、『サウザンドアームス』は、どこにでもありそうなRPGっぽかったんで買いました。
180円でしたし。




が。



N氏にこれらを渡したあと気付いたんですが、


こっちの方が『虹色ry』よりもギャルゲーじゃねえかwww

ってか、浜崎あゆみがOPなのかよwwww

気になった方は自分で調べてね☆



えー……、

というわけで、
『虹色ドッジボール 乙女たちの青春』は対戦プレイも可能なんだそうです!


(あ、はなしそらした。)
今日は友人の誕生日でした^^
そんなこんなで、金欠じょがぁです。

詳細は……きっと明日の方がよろしいでしょう。うむ。
ども、じょがぁです。

今日は友人と買い物に行ってきました。
というのも、じょがぁの古い友達が明日誕生日なので、そのプレゼントを買いに、です。


まあ、プレゼントと言っても、

ケーキだとか最新のゲームソフトだとか、
お菓子の詰め合わせだとか、

そういうものじゃあありんせんのです。
もっとヤヴァイもの……いや、ヤヴァイものたちですね。
(ヤヴァイ、で言葉を濁しておくほどヤヴァイものたち)


うーん……喜んでくれるといいなあ。


ちなみにじょがぁ、包装を担当しましたが、演出のほう特に力入れた。



ノベルゲームのネタが浮かぶんですが、書く気にはなれない今日この頃。
『翼の生えた少女はもういない。』のほうもまた然り。

ってか、色々と時間がない……そう、色々と。



でもって、どうでもいいことだけどもRead More...で独り言を。

⇒続きを読む

ども、もう弓道のことに関して詳しく書くと「特定しますた」になっちゃいそうなんで、
あんまし触れないようにします、じょがぁです。


……とか言いつつも、書きたいことが弓道に関することばかりなんだよなあ。
検閲して、消すとこ消すと、書くことがですね、

『今日の朝は冬の昼みたいに寒かった』

くらいになっちまうんですよね(汗


いやあ、やっぱりこう、秋という季節が年ごとに短くなってくような気がしないでもないですね。
まあそんなことは本当にどうでもいいんですけどもね(冷汗


ちなみに十二月の末に山形へ行くことが決定しました。
うーん、雪が凄いんだろうなあ、とか思いつつ、メチャクチャ寒いんだろうなあ、と思いつつ、
とりあえず今から楽しみっす。
どもども、お久しぶりです、じょがぁです。

立体音響聴きながらの更新は集中できませんね(苦笑


いや、そんなことより、ここは沖縄の感想をってことですね。

まず一番印章に残ったのは、やっぱりコンビニですね。

ファミマ、ファミマ、ローソン、ファミマ、ローソン、ファミマ、ファミマ、ファミマ、ファミマ、ファミマ、ローソン、ローソン、ファミマ、ファミマ、ファミマ、ローソン、ファミマ、ファミマ――

沖縄にはスリーエフがないのかと。


ま、ファミマ大好きだからいいんだけどね。
(それでも最終日はセブンが恋しくなってきた)


でもって、やっぱり印象に残ってるのは二日目の平和学習ですかね。
糸数壕ひめゆりの塔平和祈念公園

沖縄戦のお話は小学生の頃から『さとうきび畑の唄』を観てたり、
その他色々、戦争に関しては興味があったんで、知ってましたが、
うーん……、沖縄戦だ……。

特に祈念公園は印象に残ったなあ。
おびただしいほどの碑。満州事変や沖縄戦などで亡くなった方々の名前が彫られていました。
素晴らしい、と思ったのは、その碑に沖縄県民だけでなく、沖縄の地で亡くなった外国人(アメリカ人や朝鮮人が多かったです)の名前も彫られているところですね。
それから公園から見える断崖絶壁と広がる海原。
もしうちがその近くの茂みに潜んでいて、
その目の前には戦車が轟音を挙げながら炎を吐き、
頭上からは戦闘機が何機も掃射しながら地面を這うように飛んでいたら……。
きっと、身を投げるしか方法は無いと考える……かも、しれないですね。
(当時の教育なんかも考えると)


平和祈念資料館には、火炎放射器で焼け死んだ日本兵の写真だとか、
額を撃たれて死んだ一般住民だとか、そういう悲しい写真というか、なんというか……
目を覆いたくなる写真もありましたが、
でもきっとそれはしっかりと見て感じなければならないものなのでしょうね。

写真じゃあ、そういう方々の瞼は閉じられていましたが、
きっとそれは写真家か誰かが閉じて下さったのでしょう。
撃たれた瞬間、死ぬ瞬間、その人は何を考えていたのか……。
そして、うちらはそれを見て、何を望めばいいのか……。

そういえばガイドさんは言っとられました。

「ただ、平和を祈ること、それだけです。平和って何? って思うかもしれませんが、今こうしてみんなと一緒に修学旅行へ行けること。家族、友達、恋人……誰かと一緒にいられること。それが平和なんです。いつまでも続きますように、と祈ること。それでいいんです」

ほんと、いいガイドさんでした。

一方、我々学生さんたちは笑顔で記念撮影。
じょがぁもその一人。
頭じゃ分かってるけど、体は言うことを聞かない。
ここで大勢の人々が死んでしまったのに、
そんなことお構いなく、ただの『観光地』として訪れる自分。
なぁーんだかなあー。

まあ、皆さんこういう場所に訪れる機会がまたあるのならば、
最低でも心の中では当時のことを振り返りながら写真を撮るのがいいんじゃないかな?
なーんて思いますね。


と、今回はちょいとシリアスめな更新。

でも、なんだかんだで楽しかった!
ちんすこうの雪塩とサータアンダギーの黒砂糖は最高だぜ!


「あ……しまった」
 大瀬崎を投げた『ヤツ』はようやく自分のしたことに気が付いたようで、苦笑いしながら頭を掻いた。ほとんど無意識だったんだろう。
 『ヤツ』はのびた大瀬崎を拾い上げ、オレの隣に座らせた。目が回っている大瀬崎は、なんだかカラクリ人形みたいで笑える。
「うーん、ついつい本気を出してしまったけど、この人は大丈夫なのかな……?」
 『ヤツ』は困ったように苦笑いをしながら髪を掻き上げる。
「ああ、大瀬崎なら大丈夫だ。全身複雑骨折程度だけど心配する必要は全くない」
「全身複雑骨折だったら心配しろよ!」
 ガバリと起き上がれるのだから、大瀬崎は健康優良だった。
「え? お前って回復の呪文使えばカムバックするんだろ?」
「どこのRPGだっ! つーか、少しぐらいは心配してくれよ!」
 オレに突っ込みを与える。ナイスだ大瀬崎。
 大瀬崎に異常がないことを知り、伊東と大室はホッと胸をなでおろしていた。ちなみに奏はこのとき小さく舌打ちをしていたのをオレは知っている。
「遅かったね、白渚君」
 伊東が『ヤツ』に言う。そして、大室は満面の笑みを漏らし、小鳥が巣に戻ってくるように『ヤツ』の元へ駆け寄った。今まで見たことのないほどの笑顔だ。……でも、よく見ると大室の奴、泣きそうな顔をしている。よほど大瀬崎が怖かったんだろう。同情する。
「廊下の人ゴミにやられてしまったみたいだね。不意に僕といずみんの間に割り込んでくる輩がいて、思わずいずみんの手を離してしまったんだよ。いやあ、ここに来るの、初めてだったもんでね。……おっと、勘違いしないでくれ。僕はアホな子じゃない。不意に弱いだけなんだ」
 伊東の言う『白渚君』はそう言ってまた苦笑した。言い訳しないといけないくらい恥ずかしいことなのだろうか? ……こいつはさっきまで人ゴミで親とはぐれた子どものようなものだったらしいんだから、確かに恥ずかしいっちゃ恥ずかしいが。
「にしても、強いんだな、お前」
 正直、この程度の人ゴミで手を離してしまう奴が大瀬崎(一応元いじめっ子)を倒してしまうなんて信じられなかった。
「ふっ、これでも彼女を守れるくらいには鍛えてあるさ」
 またこいつは笑う。オレが恥ずかしくなるくらいのことをこいつは言ってのけた。ま、仮に彼女が守れたとしても人混みに流されない程度の足腰まで鍛えてほしいものだけどな。
「おっと、自己紹介がまだだったね。僕は白渚慶二(しらなぎケイジ)。いずみん……がこの子だって、知ってるよね?」
 白渚はすぐ隣にいた大室を引き寄せた。大室の顔が赤くなる。大胆な奴だ。
「僕はいずみんの彼氏なんだ。かれこれ中学からの付き合いだよ」
 中学からの付き合いというと、かなり長いじゃないか。それでも白渚は大室を小脇に抱え、大室はそんな白渚の行いに頬を薄紅色に染める。初々しさが残っているようで、とても長い時間を共に過ごしてきたのだろう。仲も良さそうだし、そりゃあ大室を襲った大瀬崎を彼氏である白渚が許すわけがないな。
「ちなみに」
 白渚が人差し指を立てる。みんなの視線が彼に集まった。
「僕の名前は白渚慶二だけど、お父さんは警部だ。刑事じゃないよ」
 白渚はまた笑った。
 ……えー、気のせいか、いわゆる一般的に言われるあのオヤジギャグと俗称される、高校生にとっては先生から聞くことはあっても同じ生徒から耳にすることはほとんどないような、そういうものなのではないか……? そして今、生徒しかいないこの場で肌寒い風が過ぎ去ったような気がするぞ。自分の名前と警察の階級『刑事』を掛けた、小粋なギャグ……のつもりか? なら、オレは突っ込むべきなのか……? 正直迷うところだ。奏と大瀬崎なんて完全に白渚の発言を呑みこんでないぞ。
 そんなことを考えている途中、大室が目に付いた。
 ……大室は照れたように笑っていた。
 おい、まさかこいつ……超低級ダジャレでウケてんのか? な、なんて希少種なんだ! オヤジギャグを抜かす高校生くらい希少だぞ!
「そうなんですよ。慶二君のお父さんは横浜の県警で働いていらっしゃるのですよ」
 でもって、伊東の方は白渚のオヤジギャグに気付かずに補足説明してるし……。なあ、新参三人組よ、各々理由は違えど、どうして今まで生きてこれた?
「それで……君たちも自己紹介、お願いできるかな?」
 白渚は自分のギャグがウケているのか自覚しているのかどうかわからないが、話題を元の軌道に戻し、オレたち三人を順々に見た。
 奏が改まったように白渚の方へ体を向けた。
「私は神子元奏。吉佐美の友達よ」
「ああ、君がきさみーに声をかけてくれたんだね。ありがとう」
 今更だが、白渚の笑顔は男であるオレからしてもハンサムでかっこいいと思う。きっと、容貌や容姿が整っているからなんだろうな。オレにはできない笑顔だ。これでオヤジギャグさえ言わなければ完全体と言っていいが、もうそのネタを使いすぎるのも飽きるので、しばらくギャグに関しては置いておこう。
「じゃあ、これからミコちゃんって呼んでいいかな?」
 白渚があまりにも爽やかな笑顔で言ったので、思わず吹きそうになった。
「ミコ……ちゃん? え、ええ。もちろん。嬉しいわ」
 明らかに奏は戸惑っている。こんな可愛らしい愛称で呼ばれたことは、記憶の中を探っても見つからない。奏の冷静で客観的な性格と可愛いネーミングに致命的な差が生じている。
 チラと白渚がオレを見る。次はオレの番らしい。
「オレは穂枝統流。奏とはもうガキんころからの付き合いで、腐れ縁みたいなもんだな。これからよろしくな」
「よろしく。えーっと……統流っち」
 奏が吹き出した。オレも吹いた。こんな恥ずかしいニックネームで呼ばれたことなんてないぞ……。
 でもまあ、面白いニックネームだったから許す。
「次は俺だな!」
 大瀬崎が立ちあがった。もうこいつは白渚に背負い投げられた痛みなんて忘れてるんだろう。それほど元気だった。
「俺は大瀬崎・ザ・エモンドラ・駿河。容姿端麗、成績優秀、才色兼備、伊東博文なガキ大将だ!」
 唯一正しいのは『俺は』と『ガキ』のみの自己紹介であった。あまりにも突っ込みどころが多いが、いちいち突っ込んでいたら日が暮れてしまいそうなので割愛する。
「大変参考になる自己紹介をありがとう。えっと……」
 白渚はここで言葉を切った。何かを考えているようすである。
「どうしたの? 白渚君?」
 心配する伊東が訊いた。白渚の隣にいる大室の表情も、どこかソワソワとしていて不安気に見える。
「いや……この人の愛称をどうしようかなって。防衛のためとはいえ、投げてしまった人だしね。真剣に考えないと……」
「そうだそうだ。愛称はゆっくり、しっかり考えてくれよな。特に俺に対しては」
 自称『成績優秀』の赤点ボーダーマンが威張っていた。
「じゃあ聞くけどさ『するがっぴー』『スルメっち』『大瀬左衛門』『スルえもん』のうち、どれがいいかな?」
「真剣に考える気ないっすよねぇっ!」
 目を見開いて、大瀬崎は白渚に対する初突っ込みをした。これは、今後のコントじみたトークに期待せざるを得ない。
「いや、君のミドルネームをもじって『大瀬左衛門』とか『スルえもん』にしたところは評価してほしいな」
「……なるほど」
 なんと、大瀬崎は納得してしまった!
 まあ……これはこれでいいコンビかもしれないな。


 冬、オレたちは四人だった。でもあいつは遠い世界へ帰ってしまった。オレたちは三人に戻ってしまった。
 あの頃はどこか隙間のあるテーブルだったが、今日からは六人になる。隙間なんて作る方が難しくなるくらいギュウギュウ詰めのテーブルになる。それ以上に賑やかになって、もっともっと楽しい日々が続いていくことだろう。
 なんてことを、ちょっとだけ、思った。


 つーかんじで、オレたちは誰もいない食堂で飯を食うことになった。伊東は大瀬崎の隣に座り、その前に白渚が、白渚と奏に挟まれるようにして大室が座った。伊東と白渚の席を変えればしっくりくるのだが、白渚は大室の隣に座ることを前々から決めていたようだ。ちぇ、惚気め。
「ヤキソバパンでも食うかな!」
「お、大瀬崎君、それ、昨日も買ってましたよね?」
「ヤキソバパンで何が悪い! 俺はヤキソバパンを愛してるんだ!」
「あ、そ。駿河の歪んだ愛の話なんてどーでもいいから、早くタマゴサンド買ってきて」
「今日も俺が買い行くのかよっ!」
 がらんどうの食堂は、どこかここだけが色に包まれて、他は黒と白の世界のように思えた。
「おや、もしかしてするがっぴーはみんなの分まで買ってきてくれるのかい?」
 白渚はいい勘をしている。その通りだ。
「んなことするか! いわんや俺のパンをや!」
「いや、最後の付け足しおかしいから」
 古典文法を使うのなら、もう少し勉強してからにしておけよ……。
 しばらくして、大瀬崎は自身のヤキソバパン、奏のタマゴサンド、オレのエビフライパン、伊東のメロンパン、白渚と大室のイチゴクリームサンドをテーブルにデンと置いていた。
 結局大瀬崎は五人のパシリ役として一年の任期を全うするのだろう。頑張れ大瀬崎。手伝いはしないぞ。
「……へえ、そっか。じゃあ一年の頃はずっとここで?」
「そうよ、ま、混んじゃってるときは教室でパン頬張ってたけどね」
 白渚と奏の話が盛り上がっていた。どうやら昼飯の話らしい。オレたちはほとんど毎日食堂で食ってたからなあ……。きっと食堂の常連なら誰しもオレたちの顔を知っている。
「僕達は逆に食堂に行ったことないからなあ……。ずっと屋上か教室で弁当だったからさ」
 まあ、廊下の人混みに揉まれるくらいなんだから、食堂慣れしてないことくらいは分かる。昼時の食堂はまさに戦場だからな。
「これからはどうするんだい?」
「え?」
 イチゴクリームサンドを大室に渡した白渚は身を乗り出した。
「だってそうだろう? この人数じゃ、毎日食堂ってのは難しいんじゃないかな? 今みたいにテーブルをくっつけるのって、混んでたら他の人たちの迷惑だろうし、かといって別々の席で食べるのは意味がないというかさ……」
「つまり、どうしろってのよ」
 奏はあからさまに嫌そうな雰囲気を漂わせている。よっぽど食堂に未練があるのか、弁当が嫌なのかのどちらかなのだろうが、なんとなく後者だと思う。
「つまり! 仏様は我々に断食せよとの思し召しなのだ!」
 突然立ち上がって大声を張り上げる大瀬崎だが、明らかに空気は大瀬崎を迎えていない。
「違いますよ、大瀬崎君」
 ただ一人、伊東を除いて。
「断食はイスラム教の儀礼の一つですから、正確には仏様ではなくアッラーの思し召しと言った方がいいですよ」
「え? でも仏教だってやってそうな気がするぜ?」
 二人の会話は思いっきり本題とかけ離れてしまっているので、置いておこう。オレたちは言葉も交わさずにそういうことにした。
「僕としては、弁当があるととても助かるんだよね」
「食堂の方が楽しいわよ? 楽だし」
 白渚は弁当派、奏は食堂派と、お互い譲る気はないらしい。オレとしてはどちらでもいい。ただオレ用の弁当を作るだけのために早起きするのはめんどくさいし、誰も「美味い」とは言ってくれない。かといって食堂だと、金が掛かってしまう(学食だから、そこらのファミレスやコンビニに比べれば安いのだが、弁当には敵わない)。
 と、軽い険悪ムードに挟まれる大室が白渚の制服をくいくいと引っ張った。
「いずみん、どうしたの?」
 白渚が優しく大室を見つめる。あたふたと目をちょろつかせたあと、大室は身を乗り出して白渚に耳打ちをした。
「ふんふん……ああ、なるほど」
 大室の声は漏れることなく白渚にだけ聞きとれる声量だった。聞こえない声に相槌を打つ白渚は、やはり大室にとって特別な存在なのだろう。
「そりゃあいい意見だね。どうだろう、みんな?」
 オレたちに投げかける白渚だが、「どうだろう」と言われても全く聞こえなかったんだが。
「食堂の日と弁当の日を決めるって言う意見なんだけどさ」
 その意見は、お互いの意見を尊重しまくった内容であった。その発想はオレにもあったし、妥当だと思う。
 オレは賛成なんだが……と、チラと奏を流し眼で見る。相当眉間にシワが寄っているのが分かる。
「結局弁当はあるのね……」
 げんなりとした溜息が奏の口から漏れるが、もう何度目だろうか? よっぽど弁当が嫌いなのだろう。まあ、奏にとっては無理もないことだろうが。
 だが、白渚は奏の溜息を想定していたかのように人差し指を立てて笑った。
「どうしてもダメなら、みんなからお裾分けしてもらうとか、パンを買うとか、そう言うことだってできると思うよ」
「嫌よ、お裾分けだなんて申し訳ないわよ。それに、自分だけパンだなんて寂しいじゃない」
 寂しい、という一言に胸底がズシリと重くなった。奏は今まで、一人だとか、孤独だとか、そういう寂しさから抗って生きていたことを知っているから。
「あー、なんて言うのかな……そういうわけじゃあないんだ。かく言う僕も、弁当なんて持ってきたことが無いしね。一年の頃はいずみんときさみーの弁当をちょこちょこっと頂いてたからなあ。それにさ、絶対に学食の食べ物よりも弁当の方が美味しいと思うんだ。愛情もこもってるしね」
 白渚はイチゴサンドを頬張る大室の髪をクシャリと撫でた。彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめるが、表情はとても嬉しそうだった。
 察するに、白渚は大室の弁当を食べたいがために言い争ってるんだろうな。ちぇ、惚気め。
 しかし、となると、だ。弁当を作るのが大室と伊東だとして、お裾分け組は奏と白渚と大瀬崎(前に親は弁当作らないと言っていたし、大瀬崎自信料理が出来ると思えない)とオレ、ということになる。弁当作る組は一人三人分の量を作らなければいけない計算になる。さすがにそれは大変だろう。
 弁当を作るために朝早く起きるのは面倒くさい。
 だが、「美味い」と言ってくれる人はいる。
 それなら早起きして作る理由としては十分すぎる。
「それならオレも作ろうか?」
 知らずと手を挙げて名乗り出ていた。
「あれ? 統流っちは料理出来るのかい?」
 白渚は意外だ、とでも言いたげな顔をして言った。なんか珍しそうにしているが、今は男だって料理する時代だぞ……。
「まあ、一応、な」
 夢は料理人だが、ここで言う必要もないだろう。それよか奏の呆気にとられた顔の方が気になった。白渚(というか大室)の意見に乗り気なのが意外なのだろう。
「一応言っておくが、誰かに食べてもらった方が作り手としては嬉しいもんなんだぞ」
 奏に対して、とは言わないが、奏の方を向いて言った。
「アンタは……食堂よりも弁当の方がいいの? それなのに一年間も食堂に通い続けてたわけ?」
 奏はまだ自分の意志を曲げたくないようだった。と言うか、口論で男子に――しかも会って間もないような男子に――負けることが悔しくて、意地みたいなものて抗っているのだろう。
「別に、そんなことじゃない。食堂で大瀬崎にこき使わせるのは楽しかったし、ここでゆっくり色んなことを喋るのも楽しい。でも、なんつーか、一年も食ってると味に飽きるんだよなあ」
 変に言いまわす必要はない。思ったことを正直に言う。
 しばらくオレたちに会話は無かった。聞こえるのは上の階からの吹奏楽と隣で繰り広げられる断食の話だ。『上座部』とかなんとかのワードが耳に入る。なんだよそれ。
「……なら」
 目の前の少女が口を開いた。
「私を本気で唸らせるくらい美味しい弁当を作りなさいよ」
 その瞳はオレを貫くほど強く睨んでいて、それでいて、少しいたずらっぽかった。
「わかったよ。その代わり、美味すぎて倒れても平気なようにヘルメットでも被っとけよ」
「考えとくわ」
 そう言って奏はふっと笑みを漏らした。白渚も目を閉じて胸を撫でおろした。
「慶二、それなら毎日弁当でもいいわよ。私も気が向いたら弁当作るわ」
「そのときは是非とも僕に言ってくれよ。弁当(ベントー)だけに、すぐにでも『返答(ヘントー)』しよう!」
 オレはその瞬間に固まった。奏の穏やかな表情から一転無表情になる。それでもって、大室はやっぱり俯いて笑いをこらえてるのな。
 今回もまた静けさが辺りを包み込むのかと思いきや、そうもしなかった。
「……俺さ、昔夏休みの宿題で鑑真のこと調べたら、レポート用紙二枚で終わっちまったんだよ」
「えと、ガンジーってインドの方ですよね?」
「マジ? 鑑真ってインド人なのかよっ!」
 ところでお前ら、どこまで話逸らしてるんだよ……。


 それからしばらくして、初めての六人での食事は終わった。明日からは弁当を作ることになる。あいつが遠い世界へ行ってしまってからは暇を弄んでいたから、このくらいの忙しさは欲しかった。
 帰り道は見事にバラけていた。オレは天端を渡る道を歩き、奏はオレとは逆の岸から湖の畔を行く。大瀬崎は国道を街の方へ歩いていく。それから白渚、大室、伊東の新参三人組はバスでの登校だそうだ。白渚と大室は上りのバスを使い、伊東はその逆だ。つまり、伊東はオレの家方面からやってきているらしい。まあ、多分オレの家よりも更に離れた住宅街にでも住んでいるのだろう。
 バス組を見送ったあと、奏も帰路に着く。オレも帰ろうと校門に背を向けようとした。
「おい、待てよ穂枝」
 大瀬崎に肩を掴まれ、呼び止められる。
 まだ二時前だが、オレはクタクタだった。今日は早目に夕食を作ってすぐに寝るところまで計画しているのだ。早く寝させろ。
「いずみちゃんの声を、お前は聞いたか?」
「はぁ?」
 大瀬崎の目が異様に輝いていたので、若干圧倒される。
「だから、いずみちゃんが喋ったかどうかを訊いているんだよ!」
 大瀬崎がここまでマジなのはいつ以来だろうか? 多分ソフィアと別れたあの日以来だな……。シチュエーションのギャップに半ば呆れながら、声なんて聞いてねえよ、と答えておいた。白渚に耳打ちをしていたから、恐らく喋ったのだろうが、その声を聞いたわけではない。
「そう、か……」
 オレの肩を掴む手があからさまに緩んだ。どんだけ残念なんだよ。人の彼女にあーだこーだ言うお前も相当残念な奴だけどな。
「なんつーかさ、あの人見知りというか、あの無言は異常過ぎるよなあ、なんて思ってさ。だってそうだろ? 高校生であれだけ何も言わない奴を、今まで見たことがあるか? ないだろ?」
 まあ、確かに言われればそうだな。これだけ長い時間いたんだ、一言くらい喋ってくれたっていいじゃないか。それに朝の件もある。まだクラスに慣れていないとはいえ、あの怯えようはなんだ? オレには分からない。
 大瀬崎が深呼吸をして気を静めた。
「まあ、とにかく、だ。もしもいずみちゃんが『うん』とか『すん』とか『駿河くん大好き(はぁと)』とか言ったら即刻俺に申し出てくれな!」
 上機嫌に親指を立てながら大瀬崎は言った。最後のセリフは絶対に言わないと思うし、セリフに(はぁと)なんて表せないからな……。
 生返事をして、今度こそ家に帰ろうと背を向ける。
「あ、穂枝っ!」
 また呼び止められる。
「明日の弁当、楽しみにしてるからなっ!」
「さてと、お前だけに効く毒薬たっぷり混ぜておくか」
「ねえよ、そんなもんっ!」
 背後から悲鳴のような突っ込みを受け流しつつ、天端へと続く階段を降りた。
 余談だが、オレの言ったことに対する大瀬崎の否定には一理ある。『馬鹿に付ける薬は無い』と昔から言うしな。


第五話『田舎来い草案提出締切日』に続く

第三話に戻る
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『城ヶ崎の小説ども』に戻る。

 それは星がとてもきれいな夜のことだった。
 唇に、やわらかくて温かい感触。
 オレはソフィアを抱きしめていた。
 やさしく、やさしく。
 まるで、水でいっぱいの紙コップのようだった。
 強くしてしまったら、すぐに溢れ壊れてしまう。
 
 別れが近づく。
 まだ間に合ったはずだ。
 間に合ったはずなのに。
 ソフィアと別れずに済んだ選択があったのに。
 でもオレは、それを選ばなかった。
 選べなかった。
 恐かった。
 何に恐れていたのか、今になってしまえば忘れてしまったけれども。
 ああ、感じる。
 ソフィアの温もりが。
 ソフィアの感触が。
 ソフィアの香りが。
 オレの手は震えていた。
 ソフィアの手も震えていた。
 だからオレはソフィアの手を力強く握った。
 せめて、ソフィアという存在を忘れないために。
 ソフィアも握り返してくれた。
 それから。
 ソフィアとオレを繋いでいた、ガラスの針よりも脆い糸は、

 一瞬にして、切り断たれた。


四月十日(木)


 朝五時半。こんなに早く起きたのは何ヶ月ぶりか、何年ぶりかだろう。
 無論弁当を作るために早起きをしたわけだ。弁当箱もちゃんと用意したし、献立は寝る前に色々と構想を練っていたので、おかずのメニューに悩む時間も省けた。オレ、この日を楽しみにしすぎだな。
 弁当を作ることの他に伊東と大室の弁当がどんなものなのかも気になる。もしいい感じのおかずがあったら、参考にしたいものだ。
 そんなわけで、鼻歌まじりに卵を割った。


 弁当が予想以上に早く出来てしまったため、比較的早くに学校へ行くことにした。昨日よりかは遅く出たものの、通学路の天端をゆっくりと渡ることは出来る。天端というのはダムの一番高い場所だ。天端台高校おの『天端』はこれからとったものらしい。この天端は国道にもなっていて、朝夕は度々渋滞になる。歩いて学校に行くオレが車を次々に抜いていくこともしばしばあり、そのときは抜き去る車全部に「ザマアミロ」と言ってやるのが日課だ。……陰湿で悪かったな。
 ともかく、この町の唯一と言っていい名所がこのダムと奥に広がる人造湖だ。学校から見る湖は風情があるから好きだ。畔にある公園は、桜の季節である今や夏休みになるとたくさんの人が訪れる。まあ都市には近いけど町自体は小さい。唯一のファミレスが知り合いの家の側にあって、コンビニは全部『ファミマ』が独占してるし、そもそも若者が遊ぶような場所がほとんどない。しかも交通の便が悪いから遠出する気にすらならない。引っ越す機会があれば真っ先に引っ越したい。だから若者は便利な都会に行ってしまって、地方の高齢化が進んでいくんだ、と誰かに訴えたい。でも、水辺と山があるってところはオレの故郷である伊豆に近いものがあるので、冬の寒さにさえ耐えられれば過ごしやすいっちゃ過ごしやすい。
 と、この町の地理をざっと説明したところで天端台高校の正門に着いた。
 昇降口で上履きに履き替えて教室に入ると、もう数人のクラスメイトが背中を丸めて作業をしている。たぶん宿題を学校でやる派の人たちだろう。オレは暇なので家で済ませてしまうのだが、ソフィアがオレの部屋にいたころは学校でやってたなあ、と昔を思い出す。
 窓際前方の席を見ると、大室が昨日と同じ姿勢で読書をしているのが分かる。唯一昨日と違うのだと思える点は、別の小説を読んでいる、ということだ。こいつは一日に何冊読んでるんだろうか。オレは非活字中毒者だからよく分からないが、実際本を読み込んでいる人なら一日に二、三冊は読んでしまうのかもしれない。
 まあ……昨日の今日でもあるし、そっとしてやろう。
 音を立てずに席に座る。どうしてこんなに神経を使わないといけないのか、誰か教えてくれ。なんてことを心の中で叫んでも誰も答えてくれないだろうから、オレは自らの殻に閉じこもろうと――つまりは居眠りすることを――決心したのであった。


 古典の授業中、板書を写していると、誰かが右肩をつついてくる。
(おい、穂枝、起きてんだろ?)
 ほとんど同時に囁きもする。ノートとってんだから、起きてるに決まってるだろ。
 隣の席を見ると、大瀬崎が座っていた。
(お前、隣だったのな)
(あなた様のお隣になりましてからもう三箇日になるのですけれどもっ!)
 やたら丁寧な口調で突っ込まれた。どうやらそういうことらしい。
(三箇日って意味違うからな。で、授業中に何の用だよ)
 黒板に目を移しつつ適当な返事をする。
 尻眼で見た大瀬崎はにんまりと顔を歪ませている。鼻息も荒いようだ。
(驚くな、俺は壮大かつ斬新的な超計画を立案したんだぜ!)
(あ、そ)
 そうか、オレでも知ってる徒然草は卜部兼好が書いたものなのか……。しかも、出家後の名前が兼好法師って……まんまじゃねえかよ! いや、待て、それが普通なのかもしれない。もしオレが出家したら、統流(トウリュウ)法師って名前になるんだ。うん、それはそれでカッコいい。
(っておい! 勝手に流すなよっ! もっと驚けやい!)
(いや、驚くな、と言ったのはお前だろ)
 ぐっ、と言葉を詰まらせる大瀬崎は本題に軌道を戻した。
(まあこれを見ろよ。授業中に書いたんだ)
 そうか、どうりで今日は寝てなかったのか、と呆れながらびっしりと文字の連なるルーズリーフを受け取った。
 見出しなのか、冒頭は列の三行分をふんだんに使った計画名が記されていた。

『いずみちゃんとなかよしこよし計画
 ~通称:田舎来い~』


(待て待て! 明らか通称がおかしすぎるだろ! どういう意味だよこれ?)
 タイトルセンスも突っ込みたいところだが、優先順位がある。オレは大瀬崎にだけ聞こえるように突っ込みを入れる。
(いずみちゃんの『い』、なかよしの『なか』、こよしの『こ』、計画の『い』を取って『田舎来い』だ)
 お前の感性には脱帽するよ……。苦笑いを浮かべつつも、内容を読んでみる。ミミズが這ったような字だが、オレには解読するだけの力を持っている。

『目的
 最終にして唯一の目的はいずみちゃんとなかよしになるものである。そのために様々な交流をしていく。
 活動内容
 相手からこちらに行動を見せることはほぼ皆無に等しいと思われる。よって、我々からいずみちゃんを揺さぶっていかなければならないと肝に銘じよ。また、揺さぶり方であるが、やわな関わりはかえって逆効果だと思われるため、意を決した自暴自棄っぷりが必要。恥じらいは最初だけで、そのうち薄れていくはず。
 教訓
 ・スピーディな情報網の活用を怠るべからず。
 ・結果より過程を重視し、目的に縛られぬよう心掛けよ。
 ・場合によっては作戦無視の強行手段もわきまえておけ。
 ・勢い』


 これ以降は大瀬崎の考えた様々な作戦が細かく書かれていた。前半はなかなか頭を使った作戦があるのだが、途中からごり押し作戦が増えていった。最後のなんて『恋敵慶二とバスケ勝負。俺が勝ったらいずみちゃんは俺のもの』というものだった。目的は大室と仲良くなるのに、どうして所有権になっている? というか、白渚がそれで許可するわけがない。
「いいか、今日の昼休みから第一波作戦開始だ!」
 昂揚状態の大瀬崎が立ち上がり、ガッツポーズを決めながら大声で言った。
 とたんに、教室が静まり返る。
 こいつはついにやってしまったのだ。
 授業中に悪い夢を見てしまって、思わず絶叫して立ち上がってしまう小学生よりもタチが悪い。
 オレは他人を振る舞うことにした。
 静けさを破ったのは、教壇に立つ古典の先生だった。
「ヘイユー! ミスタースルガ、ミーはユーにスタンダップ! つまり廊下に立ってなさい! とは言ってマーセンヨー?」
 古典の、先生……だよな?
「え、えと……どちら様ですか?」
 大瀬崎が戸惑いを隠しきれないようだ。当たり前だ。
 古典の先生は咳払いを一つし、朗々と自己紹介を始めた。
「ミーは、ですヨ? 今年度から、つまり昨日からこの天端台高校に――ここまでオーケイ? 天端台高校に着任いターシマシタ、古典教師の山田まいけるデース!」
「……は?」
 棒立ちになる大瀬崎。オレも呆然と口を開けたままでいた。色々と突っ込みどころが多すぎて、何からどうすればいいのか分からないのは、何もオレたちだけではないはずだ。
「状況を掴めてないそこのミスタースルガ」
 いや、ミスター・ユア・クラスメイツが正しいと思う。どうでもいいが。
「ユーはお初めてザ・古典の授業でスペシャルアクロバットなアクションをしてらしたのデースよ、ここまでオーケイ? そして今回の授業でベストインポータントなポイントを説明した途端、ユーは立ち上がったわけデース」
 謎の古典教師が丁寧な解説をしてくれた。丁寧なだけで、理解できるかは人それぞれだ。
 クラスから微かに漏れる笑い声。まだ新クラスになったばかりのためか、周りを気にしているようだ。
 いっそのこと大声で笑ってくれる方がまだ清々しいものを……。と思うオレも殺し笑いをしていたわけだが。
「それではミスタースルガ、罰としてテキストブック――ここまでオーケイ? ページスリーの徒然草の序段をリーディングプリーズ」
 山田まいける先生が大瀬崎に教科書を渡す。
 何と言うべきだろうか……。
 そうだな、古典なんかより、絶対英語の教師になった方が良かったと思うぞ、まいける先生……。


第六話『渡る風』に続く

第四話に戻る
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『城ヶ崎の小説ども』に戻る。
はい、昨日の更新を作ってて、全ての体力を使い果たしたじょがぁです。

明日の夜には帰ってくるはず。その前に『翼の生えた少女はもういない。』が更新されてるはず。


しかし……。

夢に見たんだが、バグが発生してそうで怖い……。
バグってのは、
『○○に続く』とか『○話に戻る』とか押しても行くべきところに行かないっていうやつ。

もしそうなってたらスンマソン。
でも今は寝ます。おやすみっす。
ちなみに今日は、予定通りのそれだったら沖縄の海でダイビングしてるっぽいよ。

まあ、きっと曇りか雨だからそこまで「きれいな海だー」ってわけじゃなさそうっす。


つーわけで、また明日です。写真とか撮れてたら写真公開します。
あんまし多いのは無理だと思いますけども。
統流「というわけで、なぜか更新を任されたみたいなんだが……」

奏「あれね、ネタ切れなのに更新することだけに命を掛けてるのよ。あいつは」

吉佐美「き、きっと、それだけこのブログのことが好きなんだと思いますっ!」

統流「いや、どうだか……」

駿河「何日間もここを放置してたことが何度もあったぜ?」

慶二「放置がないように、このブログも法治を目指してもいいんじゃないかな?」

統流「…………」

奏「………………」

駿河「……………………」

いずみ「…………………………」
【笑いをこらえている】

吉佐美「そうですね、このブログにもルールを付けるといいかもしれませんね」

統流(伊東って、凄いな……)

駿河「コホン、さーて、俺たちは何を語ればいいんだい?」

奏「無いわよ」

駿河「……へ?」

奏「なぜなら、私たちにもネタがないからよ!」

【ピシャーン!】

統流「な……」

吉佐美「ええっ……!」

駿河「マジっ!?」

慶二「ほほう……」

いずみ「…………」
【目を丸くしている】

奏「そうよ、残念ながら、ね。

   だから駿河っ!」


駿河「はいぃっ!」

奏「アンタだけが頼りなのよ」

駿河「お……おう」

奏「よし決定~♪ 駿河の一発芸入りまーす!」

駿河「なんでだよっ!」

統流「ほう、そいつは楽しみだな。期待しよう」

駿河「期待するなよっ!」

吉佐美「期待しちゃっていいんですかっ!」

駿河「だからするなって!」

慶二「スルえもんは二十二世紀のお笑いを提供してくれるんだね」

駿河「どういう設定だよそれっ!」
      いいか、オチが分かるようなもんやらねえからな、俺は!」

いずみ「…………」
【 哀 願 の 眼 差 し 】

駿河「仕方ない、いずみちゃんがそんなに乞うのならやるっきゃないな……」

統流「お前、単純だな」

駿河「それじゃあ、一発ギャグ三連弾を披露します」

…………。

駿河「だるまさんが~……コロンブスッ!
    電球は言った『俺、キレると周りとか見えなくなるタイプだから』
    シルバーウイークの奇声ラッシュ! ウキョオオオオオオ!」


奏「…………」

統流「………………」

吉佐美「……………………」

慶二「………………………………」

いずみ「………………………………」




オチなし
たぶん今頃、首里城帰りのホテルにてマリオカートをやってるか、
羽田の空港が欠航して呆然としているところでしょう、じょがぁです。


というわけで予約投稿を生かしての更新。
……別にここまで更新に律儀じゃなくてもいいような気がするんですが、更新したいんだもん。
(じょがぁは気まぐれです)


しかし……。

今日含めて三日~四日間、
耳掻きも出来なければ爪切りも出来ないのか……。


ほぼ耳掻き/爪切り中毒のじょがぁとしてはかなり厳しい事態なのです。

え? PC中毒じゃないのかって?


いや、きっとPCがないだけなら耐えられる……はずっす。
二〇〇七年の十一月ごろ、PCがふっ壊れたのをご存知っすかね?
(参照→http://blog.amigo-chat.com/3459618/?no=1313739#com

確か一ヶ月間くらいPCの無い環境でもなんとか過ごせたので、たかが四日間なら大丈夫です。
(というか、普段の旅行でもPC環境ありませんし)


まあ、それでもテスト期間中もPCやってるようなので、
PC中毒だってことに変わりはないわけですが。



うん、まあ、そういうわけだ。

長時間同じ画面を見続けるのは目を痛めるぜ☆



気をつけましょう。

(主にじょがぁがな)
十二時間後には飛行機の中かあ……。
ども、じょがぁです。
全くもって行く実感がないまま行くわけですが……。
うーん、羽田まで行くのがかなりめんどくさいですね。

起きたら向こうのホテルにいたらいいんですが、そんなのは無理な話なわけです。


そうそう、地方ネタ。
駅前に新しく出来た定食屋(ひらがなみっつで○○○処みたいな名前だったような)、
めちゃくちゃおいしくて、それでもってご飯おかわり自由なのだそうで、めちゃくちゃオススメです。

というか、『ご自由にどうぞ』的なたくあんの千切りと白米だけでご飯一杯はいける。
(ま、だからと言ってそれを一ビン食べてしまう我々もどうかと思うのですけども……)
オススメはハンバーグ定食と生姜焼き定食。
ハンバーグ定食はハンバーグが普通にうまくて、
生姜焼き定食は値段の割にボリュームがあって冷奴付。栄養バランスもいいので良し。
ちなみにじょがぁは味噌カツ煮定食を食いました。マジうめえ。全部オススメ。


店も『定食屋』とは思えないほど落ち着く雰囲気で、ジャズなんかも流れてます。


あー、なんかの帰りに寄っちゃったりするんだろうなあ……。
まあ、安くてうまいから良しなわけですけどもね。

ちなみにお茶漬けも(やろうと思えば具はたくあんの千切りオンリーで)やれます。
勇気のある方は是非ともどうぞ。うまいです。



……修学旅行前の更新がこんなのでいいのだろうか?


まあいいや。行ってきます^^

じょがぁへのお便りは
  こちらからどうぞ。

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