ほえぶる!

ファンタジーやら現代もののエンタメ小説やら紀行文やら書いてます。自転車にも乗る。「文藝サークル~綴~」の中の人、「おにこくらぶ」の中の人、「ドジョウ街道宿場町」の中の人です。

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

昨年は就活に始まり、卒業制作に終わるという、
ヒジョーに慌ただしかった一年でした。
大学四年生という肩書を持つと、
学生という立場と社会人という立場の中間に立たされているようで、
三年生までの自分とは、気持ちも態度も変わってしまったような気がします。
(まあきっとヨソから見ると、一切変わっちゃいないんだろうけども、それがまたいい)

というわけで、大学生活後半戦を、自分の作品を読み返しつつ辿ってこうと思います。



2012/12/29起稿
原稿LOSTストーリー(純文学系エンターテインメント)
※全編は「綴Vol.12」に収録
   http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2237269

    本編:原稿用紙31枚
    サンプル:原稿用紙21枚

本作の主人公秋野は、デビューして間もない作家。
昔からの夢を叶えたはいいけれども、ひたすら作品を量産している自分に対し、
「果たしてこのままでいいのだろうか?」という疑問を抱く。
そんな心境の中、秋野はパソコンを壊してしまい、執筆途中の原稿をロストしてしまう。
締切まであと二日。猫の手も借りたい緊急事態。
秋野は高校時代の親友、晋太に一部代筆を頼むために、焼肉屋に誘う……。


前期作品と後期作品の境界は、
『魔王少女』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1908516本作なんじゃないかな、と思います。

その理由は実に個人的で心情的ですけども、小説を書く理由が
「みんなをアッと言わせる短篇を書いてやろう」から、
「いかにして自分の気持ちを伝えるか」にシフトしたからです。

大学に入って間もなくから「自分の気持ちを伝えるツールとしての小説」という側面はありましたが、
(eg::「雲に恋をした少年の物語」http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=740920
後半は一層盲目的になってたと思います。

普通に読んでも面白く、深く読むとより一層面白くなることを目指して書いた覚えがあります。
当時ドストエフスキーの「罪と罰」を読んで間もなかったので、それに感化されたところもあります。
(「罪と罰」は、じっくり読めば読むほど綿密に構築されているのが分かって、何度も何度も驚かされます……)

とはいえ、読者の声に耳を傾けてみると、「そこまで読み込めなかった」が大半だったので、
自分の力不足を改めて実感した次第です。

深く読むという気持ちが起きるのは、つまるところ何度も読み返したくなる作品であるというワケであって、
普通に読んで素晴らしく面白いものでなければ、読み手は深いところまで入ろうとしない。

「あー面白かった」だけの読後感じゃあ、一度読んでもらえるだけで終わっちゃうってことなんですよね。
当時はそんなことすら気付かなかったんだなあ、自分。




2013/04/25頃起稿
エチカの鐘

   http://bluska.blog110.fc2.com/blog-entry-617.html

    原稿用紙29枚

夕方五時半を知らせる「七つの子」のメロディが鳴る。
神社で遊ぶ小学生の一矢と主人公江智加は、鐘が鳴ると一緒になって歌う。
歌い終えると、二人で神社に手を合わせる。二人だけの遊び時間終了の儀式だった。
が、その日は違った。
――たすん。
二人のもとに、ケガをしたカラスが落ちてきた。
江智加は、このカラスを助けるために、一矢の家で飼うことを提案する。
カラスはナツと名付けられ、ナツのいる日々が日常となっていった。
そして月日は流れ、中学三年生になった江智加の元に、今朝もナツはやってくる……。


大学の授業で書いた本作は、良くも悪くも自分らしい作品でしょう。
構成からラストシーンを書き抜いて脱稿するに至るまで、ずいぶん苦労した作品でした。
授業には規定枚数(原稿用紙30枚以内)というものがあって、そこに収めるには工夫がいるわけです。

本作は冒頭が小学生時代で、「七つの子」の歌詞以降は中学三年生時代に移りますが、
当初は一矢視点で、どちらかといえば一矢の成長物語的側面が強かった、とプロットは語ってます。
小学時代でカラスを飼うにあたり、親を説得するシーンがあって、
父親がカビ取り剤と虫かごに入った昆虫をドンと置いて「どっちを食べさせるのか、選びなさい」なんて言ったり。
(とーちゃん、ダイタンすぎぃ!)

今思うと削ってよかったと思います。
もし枚数制限がなく自由に書くことになったら、描写とストーリーの均衡が崩れてたんじゃないかなと。
この作品は、この時期の作品にしてはストーリーと描写のバランスがしっかりしてると思います。

ちなみに、僕はまだスピノザの「エチカ」を読んでいません。
タイトルと主人公の名前に「えちか」が入っているにもかかわらず、
意図的な意味らしい意味を持ち合わせていないのはもったいないですね……。



2013/2/15起稿
うわ言ステップ

   http://bluska.blog110.fc2.com/blog-entry-621.html

    原稿用紙30枚

神奈川県の湘南に「湘南平」という小高い丘がある。その頂上には赤いテレビ塔がある。
この塔の展望スペースには、おぞましい数の南京錠がはめられている。
恋人同士の名前を書いた南京錠を金網に施錠して鍵を捨てると、永遠にその恋は続くらしい。
語り手の「俺」は、受験に失敗した腹いせに、南京錠を切断しにテレビ塔をのぼる。
その帰り道のベンチで「俺」は長年片想いをしていた鵠沼と、不意に再会する。


起稿日や脱稿日的にいえば「エチカの鐘」よりも早いんですけれども、
大学の友人に読ませたのは2013年秋になるので、こちらをあとに置きました。

本作を一言で言いあらわすとすると、
「きもちわるい」でしょう。
独り言を洩らす語り手、カップル(世間)に対する卑屈な気持ち、片思いする女性への崇拝。
気持ち悪さを濃縮した主人公は、大変不評でした。

いや、不評なのを彼だけに着せるのはいけないでしょう。
この「きもちわるさ」の主因は、話の構造にあるんだと思います。
読み手からすれば、
「なんだかよく分からないけど、なんだかハッピーエンドで終わってる
といった感じですか。

つまるところ、作中に作者が出ていて、そしてその作者がとてつもなく歪んでいるワケです。
これはきもちわるい

この作品の合評で、
「君は社会をバカにしている」
「人生舐めてる」
「人間性的に考えても、お前人間見下してる」
「お前の書く悪役は薄っぺらく。そしてその薄っぺらさはお前そのもの」

等々の「作品感想」をいただけたのは、

僕にとって本当に幸せなことだったんだと思います。

……演出上皮肉さを出していますけども、本当にこの作品を書いてよかったと思ってます。
確かに、作者の人格を否定するような作品の感想を言われたことは事実ですし、
それで数日間ずっとめまいが続いたのですが、
読み手からいい感想をもらえないことは覚悟して書いてましたし、
なによりこういうものを書いてみたくて書いて、そして人に読んでもらいたかった。

執筆当時、リアルの環境に変化があって、身辺整理の意味合いも込めつつ、この作品を書いた記憶があります。
今思うと、本作の「俺」を通して、「あきらめ」を描きたかったんだな、と。
書いたことを後悔することもないですし、必要なことであったろうな、と。

また例の「作品感想」についてですが、これも本当に、感謝しています。
これがあったからこそ、自分自身のこと、自分と小説の付き合いについて、
じっくり考えることができたんだと思います。


本作は大学後期の自分に、いつまでも付きまといました。
なので、大学後期作品の代表作を挙げるとするならば、
僕は本作を推したいと思います。



さて、ひとまず今回の更新では以上。
大学後期作品振り返りであつかう作品は、今回の三篇と
「偶像パラライシス」
「僕らのグレートジャーニー」
「影法師を踏む」
「天動説の恋」
「クランクアップ」

の五篇を予定してます。

サンプルすら公開していない(できない)作品がいくつかあるので、
そこらの折り合いもつけつつ、やってこうかなと思います。
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どうも、二月です、歌麻呂です。あけましておめでとうございます。

なんやかんやと挨拶が遅れて結局今年も一ヶ月経ってしまいました。
どんどん縁が遠のいている感じがしないでもありませんが、

今日から不定期連載『妖艶々舞』感想をやりたいと思います唐突に。


DSC_2289-2.jpg

『妖艶々舞』(ようえんえんぶ)

(左から『生成りの章』『中成りの章』『本成りの章』)


昨年秋に三周年を迎えた日本鬼子さん。
その記念本として作られたアンソロジーです。
日本鬼子ぷろじぇくと公認のもと、サークル『恵方巻きコルネ』(http://filangieri.blog.fc2.com/)さんが企画編集してできました。

ちなみに、日本鬼子さんってのは、2010年秋に起こった出来事から爆誕した萌えキャラです。
人の心に宿る鬼を萌え散らす、かっこいい鬼っ娘なのだ!

つまり、こっちのポータルサイト(http://hinomotoonikoproject.blog.fc2.com/)を三分くらいご覧あそばせば大体わかります。






頭でっかちになっちまうクセをどうにかしたいけど、まあ行きましょう。
ひとまず収録されてる全作品に何かしらの感想と、Pixivに見本的なものがあったらそれも掲載しておきます。
執筆者さんの敬称は略してます。あとネタバレあります。

『妖艶々舞~生成りの章~』



大辺璃 紗季http://www.pixiv.net/member.php?id=2723539
「『妖艶々舞 生成りの章』表紙イラスト」

三周年記念ピース鬼子さんかわいいです。
この指たちの中でどれが一番好きかって、左親指ですええ。
反りがタマラン! くそ、あざとい奴め!
そう言えば、ヒワイドリ(左の白い鳥)の足って、鳥類的な「趾」とは違うんですなあ。
こちらもいい親指をしている。


Haru.jpghttp://www.pixiv.net/member.php?id=703995
「『妖艶々舞 生成りの章』中表紙イラスト」


クリっとした目と、豊満な胸を持つ鬼子さん。
やや垂れた感じからして、これはチチメンチョウ参照が「ほう……」と唸るレベル。
それと耳がいいんですわなあ。これは一度ペロッと舐めてみたい。
ハルさんは巻末の「こめんと&いんふぉめーしょん」で「こにぽんかわいい」と仰ってましたが、
自分も大好きです(迫真)


大辺璃 紗季
「前書鬼」


『生成りの章』『中成りの章』共通の前書きもとい前書鬼。
鬼子さんの世界の住人は、こういう言葉遊びで生まれた心の鬼参照が多いですよね。
こういう粋なものがあるからこそ、鬼子さんは鬼子さんであるのだろうと思ったり。
まあそんなこんなで、ゆる~くやっているからこそ、今まで続いてきたんだろうと思います。緩やかながらもね!
鬼子さん爆誕期からいる身としては、感慨深い前書鬼でした。


さて、ここからが本文になります。
どんな作品たちが待っているのか……!?




Masterhttp://www.pixiv.net/member.php?id=2471721
「漫画『魔』『萌』」

しょっぱなからこれはwwww卑怯だろwww
というわけで、サンプルをご覧になればわかる通り超スペクタクルな力作になっています。
ちょっと前に(歌麻呂がこれを読む前に)鬼子クラスタが、この作品の話題で持ちきりだったのも頷けますね。
(自分は外から無言で眺めていましたコミュ障)
個人的に気に入っているのはバスト150cmの魔乳と、メガネっ娘鬼子さんですね。着物のなびきに心惹かれます。
つまるところ、これが『妖艶々舞』の集大成と言ってもいいと思います(真顔



りっくにあhttp://www.pixiv.net/member.php?id=695329
「漫画『魔×萌え=鬼子さん?』」


あ~こにぽんかわいいんじゃ~「魔と萌えの融合」がテーマの一作。
鬼子さんって格好いいイラストをよく見るので、時折「萌え」について考えさせられることはあります。
作品でパンツについて触れられるんですけど、萌えとパンツって似ているなあ、と思いました。
パンツは、誰しもが内に隠すものなので、萌えもまた二次元のキャラクターの内に秘められているものなのでしょう。
いや、彼女たちがパンツをはいているとは限らない。パンツをはいているのは我々であり、よって萌えは我々が抱いている。
つまり、彼女たちの姿、言葉、動作が、我々の内に秘めたる「萌え」の心を揺さぶるのではないか。
そう、オレたちは鬼子さんにパンツを履かされちまったのさ……。

というところまで妄想がいってしまいましたが、パンツについて色々語るのはいいと思います。



時丸http://www.pixiv.net/member.php?id=2538356
「1ページだけ鬼子新聞号外」


時丸さんの作品は毎度ハッチャけた遊び心と、そこはかとない露出系エロスがありますよね。
腰と膝に手を置く謎の女性のまつ毛が良いのです。
彼女の大人っぽい美人さは胸からではなく、ここから溢れ出ているんだと思います。
紅葉色の着物を着崩した謎の鬼子さんは無論帯上のくびれがグッとくるです。
で、この肌の透明さ(ある意味半透明とも言うべき透け具合)と、モノクロなのに彩り豊かなのは時丸さんにしか出せないんじゃないかと。



内海http://www.pixiv.net/member.php?id=1064908
「四コマ漫画『鬼っ子!』」


病鬼参照餓鬼参照と鬼子さんの四コマ。三人の鬼っ子さんですね。
病鬼(ハネ髪に和服っ子はかわいい)は仮病をしてしまう心の鬼らしいのですが、うむ、うちの心にも棲みついていそうな感じがします。
(今の今まで感想書かずじまいだったしな!)
心の鬼と鬼子さんが登場すれば、大抵心の鬼が萌え散らされて完になることが多々ありますが、この作品は終始仲良しなので、目新しかったです。
鬼子さんには、惹き寄せる力があるのかもしれないですね。心の鬼しかり、我々然り。


と、ひとまず以上です。
これで1/6くらいです。
皆さん熱意がありすぎて涙が出ます!


次回の感想は、

大辺璃 紗季「登場人物えんさいくろぺぢあ」
鬼駆「イラスト『破魔』」
鬼駆「イラスト『睡魔』」
歌麻呂「詩『おすそわけ』」
苳野瑞希「イラスト『こにぽん3周年!』」


の五本をお届けしたいと思います!
それではまた!
どうも、じょがぁです。
ゴールデンウィーク中に参加するイベントの情報と、
新刊・掲載作品の紹介を書いておきましょうかの。

今回自分は、
4/28(日)超文学フリマinニコニコ超会議2
5/5(日)COMITIA104に参加します。

スペースは
超文学フリマ→エ‐33
コミティア→つ19b

です。よかったら遊びに来て下さいねー!

で、両イベントに出す新刊ですが、
まずは今田ずんばあらずの個人サークル「ドジョウ街道宿場町」から、



自転車で関東一周してみた。
~十三日間の記録~


 ――2013年夏。
 僕の知らない世界を見たい。そう思って旅に出ようと思い立った今田。
 自転車という中途半端な移動手段で、世界一周でも日本一周でもなく、こじんまりと関東一周の旅をする。
 しかし、関東は僕の思っていた以上に広い世界だった……!
 そこで出会った人や風景や感動を、この本を通して皆さんと分かち合えたらなあ。なんてね。

 本文サンプルはこちらです↓
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2220403

 価格は色々と考えたのですが、500円の予定です。
 この本を読んで、少しでも自転車旅に興味を持ってくだすったら嬉しいもんですなあ。



そしてお次は、今田ずんばあらずが所属する「文藝サークル~綴~」の新刊です。



綴Vol.12 2013年弥生号

 今回のテーマは「ウタ」と「色」!
 五本の短篇と十篇の詩が収録。
 価格は500円です。

自分はじょがぁ名義で表紙・裏表紙の写真を、
今田ずんばあらず名義で短篇『原稿LOSTストーリー』を載せてます!

  原稿LOSTストーリー

   新人ライトノベル作家の秋野は窮地に立たされていた。
   締切が二日後に迫る原稿のデータが吹っ飛んでしまったのだ。
   一人で書くにはもう間に合わないと判断した秋野は、高校時代の親友で、今は東京町田に住む晋太に助けを求める。
   そこで秋野はもう一人とも偶然の再会を果たす。
   稲川伊智子。高校時代の恋人であった女性である…

   本文サンプルはこちらです↓
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2237269

両方のイベントに落っこちてしまったので、
「ドジョウ街道宿場町」で綴のサークル誌を委託頒布します。



ちなみに4/27(土)には、歌麻呂名義で参加した作品の初頒布日でもあります!
超ボマス1日目、大辺璃紗季さん主催のサークル「恵方巻きコルネ」(スペースはF43)から、



恋ごっこ 〜日本鬼子電脳舞曲集 壱〜

 日本鬼子関連の新刊+コンピレーションアルバムです。
 詳しくは特設サイトをご覧くださいな!
 http://hinomotooniko.tumblr.com/

 価格は、
 CD1,000円 同人誌300円 セット頒価900円
です。
 セットで買うしかアリマセンナ!

 自分は、初回限定特典の書き下ろし鬼子小説冊子でわいのわいの自由に書いてます!

  受身返し

   友達と喧嘩をしてしまった。
   たぶん、もう、これで絶交なんだ――。
   そんな悲しみに暮れていた夕暮れ時、少年に手を差し伸べる人がいた。
   「どうしたの?」それは修道女のベールを被った日本鬼子だった。
   果たして少年は友達に「ごめんなさい」を伝えることができるのだろうか?

   本文サンプルはこちらです↓
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2269651


というわけで、ニコニコ超会議関連イベントで一気に三作品が世に出るらしいです。
最近ほとんど書いてないのに、なんかすごく多忙感ありますね。


課題の短篇と綴Vol.13の短篇が完成したら、
『【編纂】日本鬼子さん十四』と公募原稿を書きたいもんですが、
うむむ、おっつかないおっつかない……!
正直こんなの記事にするより小説を書けって話だが、
たびたび「どういう風に小説書いてるん?」って訊かれることがあるので、自分なりに書き方をまとめてみた。

とはいえ昔から思いついたまにまに設定を作って舞台を作ってモチーフを練って物語を展開させてきたので、
多分参考にはならないと思うけれども。
第一、どこからが「小説を書いている」になるのかはよく分からんし。
狭義的に言えば、第一稿を書きはじめることが「小説を書く」行為なんだろうし。

まあ狭義的な執筆行為を曝露したってつまらんので、広めに解釈しておきましょう。
参考にする人は奇特な人だ、ということで。


一、ネタをなんか色々妄想する。


まあ創作する人なら多かれ少なかれ妄想するだろう。
これが小説の始まりってのは無理があるかもだけど、まあいいや。

大学の教授だって「木梨軽皇子と軽大娘皇女みたいな物語をいつか書いてみたいなあ」
と講義中に独り言するくらいだしね。

もちろんこの妄想を全て作品にするわけじゃあない(というか99.9%は一瞬で消え去る)けど、
その中からふっと見つかったものが創作のスタートだったりする。

高橋しん先生の「最終兵器彼女」は、電車の中の広告をぼんやり見てたら、数秒で物語が構築されたというし。
(今手元に本がないので、正確に引用できないのが残念)

あとは友人やバイト先の人との会話とか、授業とかツイッターの呟きとか、
外部からネタを見出すってのもあるだろうかな。

自身の妄想からネタを作りだすのを「ネタが湧き出てきた」と言うのに対して、
誰かと触れ合うことでネタが出てくるのを「ネタが降ってきた」と言うのだろうかねえ。


二、ネタをメモする。


そんなこんなで、思いついた話をメモる。
メモするのはよくない、という指摘もよく見かける。
メモすると思考することを忘れるとか、忘れっぽくなるとか、まあそういう理由だったり。
けど、自分はそれでもメモっていくかな。

つまらんネタはメモってもメモらなくても忘れていくし
(忘れるようなネタは所詮その程度のネタだった、ということだし)、
逆に忘れないネタはそれだけいいネタなんだから、やっぱりメモしておくべきだろうしね。

で、メモは極力手書きするようにしてる。
手書きのほうが、ネタに関連するネタが芋づる式に湧いて出てくる。
デジタルだと、不思議とそういうことがないんだよね。
詳しいメカニズムは分からんし、メカニズムなんてどうでもいいので、
気分の問題なんだろう、と思っておく。

あとは没になった物語を漁ってみたりする。
頭の中にあるネタと没になった話が化学反応を起こして、より面白い構想になることだってある。
そういう点でもメモ帳が一冊あるってのは、ないよりいいと思うんだよね。

とはいえメモをしてるだけじゃあ小説は書けない。
というわけで、こっから一つの作品の構成に移るわけです。


三、書いてみたい! と思った話を一つとりだしてみる。


まあ、これは意識的に話を選ぶ、というもんじゃないんだけどね。
色々メモしてる間中、頭の中に浮かんで離れないものをノートに書きだしてみるって感じだよね。

「翼の生えた少女モノの話を書いてみたいなあ」って思ったら、
「翼の生えた少女モノの話を書いてみたい」って書けばいい。
書くことが大事。

でも、書きだしてみると「これじゃない感」があるかもしれない。
その感覚を大事に。
一度言葉にしてしまうと、それにとらわれて、本来の輪郭が失われちゃうってことはよくある。
でも、輪郭がなくなっちゃったらなくなっちゃったで、開き直ったほうがいいと思う。
いつまでも輪郭に固執してたら何も書けないだろうし、
消えちゃったもんは所詮その程度のネタなのだよ。
そんなことより、書くことが大事(二回目)


四、書いてみたい、と思った話と別の話を二つ以上考える。


伊都工平先生のブログ「Scratch Line」にある「ライトノベルの書き方」を参考にしているわけだが、
http://scratch-line.doorblog.jp/archives/5000216.html
どうしても一本の発想だけで書こうとすると、どこかで見たような話になりやすかったり、
中だるみしやすかったりするだろうと思う。

ドストエフスキーの長篇小説は、多くの短篇・中篇小説を束にしたものである、と言われる(要出典)。
例えば「罪と罰」は罪を犯したラスコーリニコフの苦悩を描いているわけだが、
単にそれだけを長々書いているわけじゃない。
物語の中に、マルメラードフとその家族の物語があり、ポルフィーリイとの心理戦があり、
スヴィドリガイロフとドゥーニャの過去が盛り込まれている。

さまざまな物語を一つの作品に束ねることで、
物語に個性が生まれ、読者に飽きがこないようなストーリーを作りやすくなる。

とはいえこの段階では、簡単な流れだけを書いておくだけでもいいだろう。
   「翼の生えた少女との触れ合い(恋愛)」
   「(味方)漫研VS生徒会(敵)の頭脳・心理戦(バトル)」
   「準ヒロインのちょっとした勘違いから始まるドタバタ(コメディ)」

みたいなね。
別に三本じゃなくてもいいんだけど、今回は三本で進める。
(でも二本だと少ない。「よくある話」になりがちだ)

で、この「三本の軸」を考慮に入れながら人物を練っていく。


五、主な登場人物のプロフィールを作る。


自分はあまりキャラクターを深く作るタイプではないが、
「氏名」「一人称」「二人称」「三人称」
「年齢・誕生年月日」「身長・体重・体型」「その他外観的特徴」「必要な服装」
「部活・職業・学歴等」「性格・趣味・嗜好」「略歴・その他」「語尾・口癖」
くらいは練っている。

「ジョジョの奇妙な冒険」の作者でおなじみの荒木彦麻呂先生は
六十程度の項目があげられた「キャラクター身上調査書」なるものを作ってキャラ設定をしているらしい。
(詳しくはWikiでググれ)

ネットには「創作小説キャラクターに100の質問」というキャラ作りようの質問集もある。
http://www.eonet.ne.jp/~shima/100/

そのくらいキャラクターを作るのは物語を作る上で大事。

近代小説の基本は「一般peopleの人生」を描くことだったりする。
短篇小説を開くと、一人の人間の人生を知ることができるわけだ。
だからつまり、ドストエフスキーに言わせれば、
長篇小説はあらゆる人間の生き様をあらゆる角度から描いていくことなのかもしれない。

まあそんな大それたことができなくとも、
一人の登場人物を語るだけで一本の小説ができるくらいになるのが理想だろうか。

そのくらいキャラクターを掘り進めていくと、キャラに関連した物語がどんどん膨らんでいく。
うずうずして、このノリで執筆に移りたくなる。
……が、ここで書きだすと、中盤付近でダレるか致命的な矛盾が出てボツになりやすい。
(個人的経験に基づく)

短篇なら充分完走できるだろうが、長篇となるとそう簡単にはいかない。
というわけで、執筆に移る前にまず話の流れをしっかり書いておいた方がいい。


六、「三本の軸」のあらすじを考える。

「四」で述べた「三本の軸」のあらすじを考える。
個人的に「起承転結」は好きじゃないのであまりオススメはしないが、
そっちのほうが構成する上ではやりやすいだろう。

とにかく一つの山場とオチがあって、そのオチに納得のいく伏線を日常風景シーンに盛り込んでいく。
そうして三本の短篇のあらすじが完成する。


七、「三本の軸」を統合して、章分けをする。


「三本の軸」のうち、一番書きたいものを主軸に置いて、
他の軸をサブストーリーとして要所要所に肉付けしていく。

で、別に主軸を最初に考えていた一番書きたいものでなくてもいい。
一本の長篇小説で考えてみて、一番面白そうなものを主軸に置けばいいだろうと思う。

「翼の生えた少女との触れ合い」よりも、
「翼生えた少女を狙う生徒会と戦う物語」のほうが面白そうだったら
そっちをクライマックスに置けばいいだろう。

とにかく、各章に一つの山場とオチがあって、そのオチに納得のいく日常風景を構成していく。
重要なのは、うまく三本の軸を混ぜ合わせていくってことかなあ(憶測)

各軸のあらすじに忠実にならないで、むしろそいつらをぶっ壊してしまうくらいのほうがいいと思う(憶測)
各章の山場とオチは、各軸の山場とオチでなければならないって決まりもないし。

その長篇小説は書き手が神さまなんだから、神さまが面白いと思える作品に仕上げていけばいいと思うよ。

まあここでは、大まかな流れだけを抑えておけばいい。
別に書きたかったら書けばいいけど、無理して細かい場面の内容を書こうとしなくてもいいだろう。
その機会はあとにある。


八、各章のあらすじを考える。


執筆の前段階。

その章で何を書きたいのか、どんなシーンを描写したいのか、こんな小ネタを挟みたい……! 山場までの展開をどう持っていくのか、次の章へつなげるにはどうするか、冒頭の演出を如何様にするか……。

章ごとのバランスも考慮にいれつつ、色々書いてみる。
箇条書きでもいいし、小説風に書いてみてもいいし、会話劇のような感じで書いてもいいだろうし。思いつくままに。

自分の場合、ここら辺からデジタル作業に入る。
執筆する際に、引用しやすくなるので。

そんなこんなで、第一章から第二章、三章くらいのあらすじを作って、ついに執筆に入る。


九、執筆。

一つの物語として通るように、自分を信じて書きましょう。根気との勝負。
並行して各章のあらすじの続きを書いたりして息抜きしながら、書く。
中盤で「あれ、これもしかしたら駄作なんじゃないか……?」と思っても書く。
(書きにくい場面を飛ばして書く、というのはよろしくない。作者は登場人物と共に笑い、楽しみ、苦悩し、成長していくもんだろうから、自分だけ登場人物を置いて先に行くのは、作者自身のためにもならない。この中盤の苦しみを抜けると、作者自身も成長できる、と自分は考えている)

トランス状態になって、あらすじから離れたストーリーになっても、とりあえずは書いてみる。
(このトランス状態のないストーリーは、例え優れたプロットであっても、人の心を打たない。小説ってそんなもんだと思う)
で、逸れたシーンから新たな物語を構想して、あらすじを組み直す。
(元々のあらすじは別にして残しておいた方がいい。上書きすると引き返せなくなるのでオススメしない)

クライマックス、ラストシーン……そして、完走。筆を置く。
目がギラギラして、ほう、と息をつく。至福の時。


十、寝かして、推敲する。


完成したばかりの作品は、思い入れが強くて、客観的に読むことができない。
他人が見たら苦笑いしそうなものも、自分にとっては黄金の輝きを放っているように見えちゃったりする。
というわけで、書きあがって、誤字脱字の修正をしたら、しばらくの間放置して別のことをする。

ひと月以上置いておくのがベストなのだけれども、時間がなかったら一週間でも一日でもいい。
とにかく放置することが大事なのです。

で、もう一度読み返すと、うまく発酵されたのか腐敗してるのか、あまりよろしくない部分が見えたりする。
そういう部分を手直しする。
気に入らなかったら、最初から書き直すのも一つの手。

できれば信頼できる人に読んでもらうといい。
(信頼できる人、というのは素直な意見を言ってくれる人、ということ)

なるべく良い点と改善すべき点をしっかり言ってくれる人のほうが、自分のためになる。
(良い点ばっかり貰っても成長できないし、酷評されても凹むだけなので)

で、ちゃんと言われたことはメモするなり記憶するなりして、もう一度作品を読み直す。
書き直すべきところは書き直して、ここはどうしても書きなおしたくない、というところはそのままにしておく。
(言われたことを鵜呑みにして全部書き直すのは、作品の個性がなくなる危険がある。灰汁を全部取ってしまうのは好ましくないのと同様である)

熟成してから読み返してみて、たとえ作品が駄作だと思われるようなものでも、
推敲をすることである程度面白くなることはよくある。
でも推敲はやればキリがない話なので、どこかで終わらせて課題は次の作品に活かしたほうがいい。
推敲が終わったら完成、というわけではない。


十一、作品を外部に発表する。


小説は、世に出して初めて完成する。
というのも、小説は作者と読者のコミュニケーションの場であり、読者あっての小説であると言えるからだ。

自分だけしか読まない作品はオナニーである。
まあそれはそれで満足なのだろうが、やはり一読者として、誰かの作品を読んでみたい願望は常に持っている。

酷評されるかもしれないし、バカにされるかもしれないし、
逆に無関心のまま終わってしまうのかもしれない。

それでも、小説は我が子であり、子には自立していく権利があり、親はその背を押してやる使命がある。
誇りに思える作品だと思えるのなら、
どんな評価が待ち受けていようと、胸を張って世に出してあげたほうがいいだろう。





とまあ、長々と書いたけど、
自分はこんな風に作品を書いてます。
作品を書きあげたその瞬間の感覚を、しばらく味わってないなあ、とつくづく思う。
「翼の生えた少女 第一部」を書き終えたあの感覚が今でも忘れられないんだよね。
どうも、じょがぁです。
今後の参加イベントの予定について簡単に。

4月28日
超文学フリマ in ニコニコ超会議2

http://bunfree.net/

このイベントで「ドジョウ街道宿場町」
新刊「自転車で関東一周してきた。」を出す予定です。

「文藝サークル~綴~」からは
新刊「綴Vol.12(仮)」を出せたらいいなあ。


5月5日
COMITIA104

http://www.comitia.co.jp/

このイベントは既刊本を出す予定です。もしかしたら無料配布本を作るかもです。


DSC_0067-2.jpg

謎写真「翼」


今年は色々新刊を出してみたいなあ、と思ってたりします。
「自転車で関東一周してみた。」を筆頭に、
初夏には「今田ずんばあらず短篇集 その一(仮)」を、
秋頃には「今田ずんばあらず短篇集 その二(仮)」を発刊したいものです。

……ペースが早すぎるといかんですかな。金銭的にも。
とりあえず、文学フリマに新刊を出すペースで、毎年二刷はほしいもんですなあ。
まあ、過去作品と言う資源は有限なので、どれだけペースを守れるのかが不安ですがね。
短篇集は多くて三巻かな。一巻あたりのページ数減らせばどうにでもなるんだろうけど。


とはいえ今年の目標は、公募用の長篇小説を書くことなので、どうなることやらですね。
もしかしたら二作品書くかもしれないので、どうなるんでしょう。
(一長篇作品に三ヶ月半かけるとして、七ヶ月かあ)
一次落ちしたら晒します。
二次落ち三次落ちだったら蔵に入れて熟成させておきましょう、

「【編纂】日本鬼子さん」の製本版その二は、まだまだ先の先になるかもなあ……。
楽しみにされてる方がどれくらいいるのかは分かりませんけど、
ゴメンね……!

じょがぁへのお便りは
  こちらからどうぞ。

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